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みんなの「本」ブログ

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レコード芸術2012年5月号
「レコード芸術」の最新号をやっと読んだ。現在、私が購読している唯一の雑誌。 買ってしまうとなかなか真剣に読まず、図書館で借りた本などを優先して読んでしまう。また、電車の中などでは文庫/新書など小さい本を読むため、結局次の号が出る(毎月20日発売)直前になって読むことになるのが毎月のこと(もちろん、買った時にざっと目は通すのではあるが・・・)。 今月号で気になった記事は下記の通り。 ●特集 再聴グレン・グールド 「東光男氏にきくグールドのピアノ」の記事の中で、東氏はグールドのレコードを初め... ...続きを見る

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2012/05/15 22:30
最近読んだ本 2012/05
●「マエストロ、そこまで話していいんですか!?〜飯森範親の名曲レシピ〜」飯森範親著(ヤマハミュージックメディア/2012.4) ベートーヴェン:「英雄」、第九、モーツァルト:25・40・41番、メンデルスゾーン:「イタリア」、シューマン:「春」など10曲の交響曲について、作曲家の人生や内面を掘り下げ、指揮をする上での解釈、名曲を深く味わうためのポイントなどが書かれている。 指揮者の立場からの名曲紹介という意味では、クラシック初心者にとっても分かりやすく読みやすい。しかし、「そこまで話していい... ...続きを見る

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2012/05/14 21:59
最近読んだ本 2012/04
●「永遠をさがしに」原田マハ著(河出書房新社/2011.11) この人の作品は初めて読んだ。原田マハはキュレーターの経験を生かして、「楽園のカンヴァス」(新潮社/2012.1)のようなアート系の作品を書く人かと思っていたがそれだけでもないらしく、これは音楽小説。たまたま、書店の店頭で見つけたもの。 世界的な指揮者の父が海外赴任となり、ひとり日本に残った女子高生、和音。そこへ突然新しい母がやってきた。型破りの彼女には秘めた過去があり・・・ 。母と娘、音楽。女性たちの再生物語。 クラシック演奏... ...続きを見る

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2012/04/30 23:00
ハープの記譜法
野本由紀夫著「はじめてのオーケストラ・スコア〜スコアの読み方ハンドブック〜」(音楽之友社/2003)を読んでいたら下記のような記述(一部要約・補足)があった。 構造上ハープはなるべくフラットの音(なるべくペダルを踏まない音)を使う方が鳴り響きが良いので、譜例(ムソルグスキー/ラヴェル編曲「展覧会の絵」から「ビドロ」途中、弦楽器/C管の楽器は嬰ト短調で書かれているが、ハープは変イ短調で書かれている)のようにフラットがやたら付いた譜面づらになる。 ...続きを見る

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2012/04/27 20:59
最近読んだ本 2012/3
●「小説家・逢坂剛」逢坂剛著(東京堂出版/2012.2) 「剛爺コーナー」(講談社/2010)以来の、逢坂氏によるエッセイ集。私を作った本、心に残る作家、街角の風景、作家という仕事、作家の余暇の過し方、硝煙の中の男たち、などの章に分かれているが、西部劇にまつわる最終章だけで全体の約三分の二のページ数を占めており、逢坂氏の西部劇に対する思い入れの強さに圧倒される。個人的には神保町界隈の話、ギターに関する逸話などが最も面白かった。 なお、逢坂氏によればエッセイとは、「書き手がそのときどきに感じた... ...続きを見る

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2012/04/03 19:56
モーツァルトのオペラにおけるクラリネットの使用について
礒山雅著「モーツァルト=翼を得た時間」(講談社学術文庫/2008.10)を読んでいたら、以前読んだ「モーツァルトあるいは翼を得た時間」(東京書籍/1988)には収録されていなかった新たな章が追加されており、その中にモーツァルトの管楽器の用法について書かれていた。 モーツァルトの交響曲の中でクラリネットが用いられているのは4曲(31番・35番・39番・40番)、ピアノ協奏曲では3曲(22番・23番・24番)であることは、少し詳しい人であれば誰でも知っているが、「フィガロ」の中でクラリネットがどの... ...続きを見る

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2012/03/21 22:39
モーツァルト:室内楽編成版によるピアノ協奏曲集
近くの大手スーパーの中にある書店に「レコード芸術」を買いに行き、ついでに「ステレオサウンド」誌も買おうかと思ったのだが結局立ち読みで用が足りる。そして、その隣にふと眼をやると「オーディオ・ベーシック春号」(共同通信社)が。特集はヘッドフォンアンプ徹底活用とかで別に興味もなかったのだが、「春はモーツァルト!〜ピアノ協奏曲の夕べ〜」というCD特別付録がついている。曲目は弦楽四重奏でも伴奏できるように書かれた第11・12・13番のピアノ協奏曲集、そしてフォルテピアノ:小倉貴久子と書いてあったため、どん... ...続きを見る

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2012/03/20 23:24
「楽都ウィーンの光と陰〜比類なきオーケストラのたどった道〜」
岡田暁生氏の最新著作(小学館/2012.2)。 http://zauberfloete.at.webry.info/200906/article_22.html 本書は、CDマガジン「ウィーン・フィル 魅惑の名曲」(小学館)に2010〜2011年にかけて連載した「ウィーン・フィルをめぐる断章」をまとめたものとのこと。そして、オビには「世界一のオーケストラ、ウィーン・フィルのすべて。気鋭の音楽学者が描く、黄金の音楽史エッセイ」とある。一方、本書の「はじめに」には下記のように書かれている。 本... ...続きを見る

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2012/03/06 23:09
最近読んだ本 2012/2
●「モーツァルト 二つの顔」礒山雅著(講談社選書メチエ/2000.4) モーツァルト関連書籍としては新しいものではないが、私は未読だったもの。「モーツァルトあるいは翼を得た時間」(東京書籍/1988)の続編ともいえるもの。 よくありがちな単なる伝記や作品解説ではなく、歌曲やシンフォニーの世界、フィオルディリージを例にした成長する女性の姿、晩年の危機の真実、モーツァルトとバッハなどのテーマに、著者独自の視点からの分析と実証を加えていく。ひじょうに面白かったが、初心者向けの入門書では少なくともな... ...続きを見る

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2012/02/29 23:14
最近読んだ本 2012/1〜2
時間がないわけではないのだが、あまり本を読まなくなった。CDと同じで、読みたいと思う本があまりないこともあるのだが、歳のせいで細かい字が読みにくくなったことと、集中力がなくなってきたことも原因なのかも知れない。 ●「目からハム〜シモネッタのイタリア人間喜劇〜」田丸久美子著(文春文庫/2011.10) 「目からうろこ」をイタリアでは「目からハムが落ちた」と言うらしい。また、「目にハムを持つ」というと「ものごとの本質が見えない人、理解に欠けた人」の意だそうである。 イタリア語通訳の第一人者であ... ...続きを見る

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2012/02/15 20:56
前打音の演奏の仕方
橋本英二著「バロックから初期古典派までの音楽の奏法」(音楽之友社/2005)、第一章(装飾音)第一節(前打音)を読んでいたところ、下記のような記述があった。 長前打音の長さについて、当時の多くの文献(C.P.E.バッハ、L.モーツァルト、クヴァンツ、テュルク他)で一致していることは、 1)主音が二等分できれば、前打音と主音は半分ずつ。 2)主音が付点の場合には、前打音は三分の二で主音は残りの三分の一。 3)タイでつながっている二つの音の最初に前打音がついている場合には、前打音は第一音符の... ...続きを見る

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2012/01/17 23:34
「楽譜を読むチカラ」
ゲルハルト・マンテル著/久保田慶一訳(音楽之友社/2011.11.30)。 原題は、Interpretation Vom Text zum Klang 、テキストから音への解釈、のような意味と思うが、「楽譜を読むチカラ」と、書名だけ聞くとちょっと誤解されそうなタイトルになっている。 著者であるゲルハルト・マンテルは1930年ドイツ生まれのチェリスト、フランクフルト芸術大学教授。 本書は、特定の楽器の演奏テクニック(実際に楽器を演奏するための物理的な構え方/姿勢、運指/指遣い、運弓/呼吸法、... ...続きを見る

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2012/01/05 21:21
「小澤征爾さんと、音楽について話をする」
インタビュー形式の中で、小澤征爾が音楽について語り、村上春樹が聞き役と文章化を担当している(新潮社/2011.11)。 予想をはるかに上回る、ひじょうに満足度の高い本だった。ただし、この本は、普通の本屋で一般書のコーナーに平積みされて売っているが、一般の人が読んでおもしろいと思うかどうかはわからない。 「始めに」の中で、村上は、「僕は音楽を聴くのは昔から何より好きだが、正式な音楽教育を受けたわけではない。ほぼまったくの素人と言っていい。」 と述べているが、小澤も驚いている通り(小澤自身による... ...続きを見る

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2011/12/14 22:30
「木管楽器 演奏の新理論〜奏法の歴史に学び、表現力を上げる〜」
佐伯茂樹氏による最新刊(ヤマハミュジックメディア/2011.10.15)。 サブタイトルにもあるように、木管楽器の構造や奏法、楽譜解釈の歴史から、曲や時代背景に合った「正しい」演奏法を見つけることにより普遍的な実力を身につけ、また、歴史的な知識に基づいた「歌う」演奏ができるようになることを目的として書かれている。各楽器別の解説ではなく、木管楽器全般の演奏法について書かれており、その意味では画期的なアプローチだと思う。 木管楽器の指遣いはなぜ異なるかなど、各楽器のシステムの違いおよびその歴史に... ...続きを見る

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2011/10/31 22:37
最近読んだ本2011/10
●「指揮者の役割〜ヨーロッパ三大オーケストラ物語〜」中野雄著(新潮社/2011.9) 著者はこれまで「ウィーンフィル 音と響きの秘密」、「モーツァルト 天才の秘密」(文春新書)などを発表しており、この書も興味深く読んだ。「指揮者の役割」と題されてはいるが、実質的にはサブタイトルにある通り、ウィーン・フィル、ベルリン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ、三つのオーケストラに関する歴史と現状(?)のような内容。特に、ウィーン・フィルには人的なつながりが多いらしく、他では聞けないような内輪の話(団員... ...続きを見る

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2011/10/21 20:41
「ローエングリン」事前準備
バイエルン国立歌劇場公演に行くことが決まってから、「ローエングリン」の俄か勉強(?)にとりかかった。 私にとって、ワーグナーの作品で一応レパートリー(?)と呼べる作品は、「ワルキューレ」、「神々の黄昏」、「トリスタンとイゾルデ」のみ。もちろん、他にも「ラインの黄金」、「ジークフリート」などの全曲盤も持ってはいるがモノになっていない・・・。 以前から持っていた「ローエングリン」のディスクは、ショルティ=ウィーン・フィルによる(DECCA/1986)ハイライト盤のみ。そこで、まず、1982年のバ... ...続きを見る

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2011/10/02 22:21
「CDでわかるクラシック入門」
「名曲・名演の違いを探る!」というサブタイトルが付いていおり、2011年4月にアルク出版企画/ナツメ社より出版されている。77分収録のCD付きで価格は1580円。広上淳一監修となっているが、佐伯茂樹、早川元啓、佐藤美代子、柴辻純子各氏が執筆している。「入門」とはなっているが、A5サイズで250ページと内容的には大変充実しており、私のようなマニア(?)でも十分楽しむことができた(と言うより勉強になった)。 PARTTは、ベートーヴェンの「運命」交響曲を素材にしたクラシック音楽の仕組み(音楽記号、... ...続きを見る

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2011/09/07 23:07
音楽用語ものしり事典
音楽用語ものしり事典 著者は久保田慶一(国立音大教授)、アルテスパブリッシングから2010年9月に出版されている。 カタカナ語の音楽用語について、その背景にある言語的、文化的、社会的な脈絡を知ることを通して用語の理解を深め、さらに背景にある文化や社会にまなざしを向けてもらうことがねらいである、と「はじめに」に記してある。 細かいことを言うと、バスーンの英語表記がbasoonになっていたり、ケッヘルがドイツ人など、不適切な記述も少なからずあるのだが、それは別として私がなるほどと思ったのは下記の二点。 ●「調性」と... ...続きを見る

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2011/08/24 21:27
最近読んだ本2011/08
●「天使の歩廊〜ある建築家をめぐる物語〜」中村弦著(新潮文庫/2011.6) 第20回日本ファンタジーノベル大賞受賞作に加筆、修正を加え、2008年11月新潮社より刊行されたものの文庫化。 天才建築家は依頼者からの難しいオーダーに対して、誰も想像できなかった不思議な家を次々に造りあげる・・・。明治時代から大正時代に生きた建築家(造家師)、笠井泉二を巡る6編の物語をまとめた短編小説集。それぞれの短編が有機的に、また見事な構成で全体を一つの物語にしている。ファンタスティクで読後の満足感もあり、最... ...続きを見る

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2011/08/18 22:47
クラシック名録音106 究極ガイド
ステレオサウンド社から2011年5月に発行された2500円という高価な本(mook)。著者は音楽評論家の嶋護氏。嶋氏と言えば、「ステレオサウンド」誌上でユニークな記事を多く書いていた人。 http://zauberfloete.at.webry.info/200703/article_14.html 安くはないため一度手に取ってから購入したかったが、店頭になかったのでやむを得ず取り寄せてもらうことにした。何となくアナログ時代の演奏中心という予想はしていたが、一見してびっくり、ここまで偏った内... ...続きを見る

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2011/08/05 21:39
最近読んだ本2011/07
●「モーツァルトを<造った>男 ケッヘルと同時代のウィーン」小宮正安著(講談社現代新書/2011.3) 小宮正安氏はドイツ文学、ヨーロッパ文化史が専門とのことで、以前、「ヨハン・シュトラウス ワルツ王と落日のウィーン」(中公新書/2000.12)ではシュトラウスの栄光と影、そして19世紀ウィーンの姿を見事に描いていた。 今回も、おそらくその伝記としては初と思われる、ルートヴィヒ・リッター・フォン・ケッヘル(1800〜1877)の生涯が当時の文化、社会的背景に照らして語られる。 ケッヘルはカ... ...続きを見る

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2011/07/26 21:38
最近読んだ本2011/春
大震災以降、本を読む時間が極端に減った。 テレビを見たり、原発や地震関連の情報収集に時間を費やしていることが一番の原因だとは思うが、音楽同様、読書をするという精神的な余裕があまりなかったという事情にもよる。 それでも本当に必要な本は買ってはあり、それが3冊(読んでいない)、読みかけの本が2冊たまっている。とはいえ、図書館で借りた本の方を優先して読んでしまうためなかなか読み終えられない。 音楽もそうであるように、よほど面白い本でないと途中で飽きてしまい、なかなか進まないということも少なくなく... ...続きを見る

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2011/06/28 21:00
ハイドンの記譜法
ケルン・ハイドン研究所でパリ交響曲の校訂にも携わった中野博嗣氏の著書をあらためて読み直した。 ○「ハイドン復活」春秋社/1995.11 ○「ハイドン 交響曲」春秋社/2002.6 ランドン版の問題点を指摘しながら、ハイドンの交響曲に関する最新の研究を紹介している。特に、どのような手順で校訂作業を進めて行くかという点は他の文献では知ることができない貴重な情報と思う。 私もこれまで、何回か(パラパラと)必要な部分を拾い読みはしていたのだが、真剣に読んだのは今回が初めて。中でも、ハイドンの記譜... ...続きを見る

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2011/06/03 21:34
「音楽家の 身体メンテナンスBOOK」
原書は下記の通り。 THE MUSICIAN'S BODY:a maintenance manual for peak performance by Jaume Rosset i Llobet,edited by George Odam Ashgate; illustrated edition edition (30 Jun 2007) http://www.amazon.co.uk/Musicians-Body-Maintenance-Manual-Performance/dp/07... ...続きを見る

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2011/05/18 21:58
最近読んだ本2011/1〜2
●「暗殺者の森」逢坂剛著(講談社/2010.9) 1999年の「イベリアの雷鳴」から始まった逢坂剛氏によるイベリア・シリーズ第6作。前作の「鎖された海峡」を読んだのはもう二年以上前のことになる。 http://zauberfloete.at.webry.info/200806/article_2.html が、読み始めた瞬間に、北都昭平、尾形正義、ヴァジニア・クレイトンなどの登場人物やこれまでのストーリーが蘇ってくる。今回は1944年6月連合軍によるノルマンディ上陸作戦直後から1945年5... ...続きを見る

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2011/02/20 21:43
「指揮者の仕事術」
著者は伊東乾、光文社新書(2011.1)への書きおろし。 オビには「現役指揮者だから語れる<自ら音を出さない音楽家>のリーダーシップ論」と書かれていたが内容は良く言えば多彩、他の表現を用いれば何でもありのものだったが、私にとってはなかなか興味深いものだった。 ...続きを見る

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2011/02/02 23:52
「いい音 いい音楽」
五味康祐著(中公文庫/2010.12)、1970年代に読売新聞などに連載していたエッセイ集。 五味氏は自称「音キチ」で、2トラック、38cmテープでFM放送をエアチェックするなど当時としては最先端のオーディオ・マニアだったようである。 そして、スピーカー、アンプはもちろん、カートリッジ、アンテナ、接続コード、セッティングなど、およそ考えられる装置、パーツ、方法等を駆使して良い音で鳴らすための試行錯誤を繰り返す。その飽くなき情熱は普通では考えられないほどで、お金と時間、それに音を識別できる耳を... ...続きを見る

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2011/01/31 21:43
最近読んだ本2010/12〜年始
●「バイオリニストに花束を」鶴我裕子著(中央公論新社/2010.4) 1975〜2007年の間、N響1stVn奏者を務めた鶴我さんによる名著「バイオリニストは肩が凝る」(2009年に新潮文庫から「バイオリニストは目が赤い」として復刊) の続刊。 http://zauberfloete.at.webry.info/200707/article_15.html 今回はN響日記というより、自身の生い立ちから始まり、N響の話ではあるが前著ほどある意味で専門的(?)ではなく、一般の人たちに受けそうな... ...続きを見る

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2011/01/19 22:09
「はじめての 管楽器メンテナンスブック 木管楽器編」
山領茂著、(株)ヤマハミュージックメディア刊(2011.1.20)。 このような本が出版されたことも知らず、たまたま書店の店頭で発見したため思わず購入した。これまで、楽器の歴史について書かれた本や楽器の解説本は存在したが、(楽器を演奏する人向けに書かれた)メンテナンスの本というのは珍しい。なお、「はじめての弦楽器メンテナンスブック」という本もこれより前に出版されていたらしい。 著者はヤマハで管楽器の設計などに携わり、ヤマハアトリエ東京室長などを務めた方とのこと。内容的には下記のような構成にな... ...続きを見る

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2011/01/18 22:29
チェロの森
チェロの森 チェリストの長谷川陽子さんによるエッセイ集(時事通信社/2010年11月刊)。 まず、この本の表紙を飾っている絵の素晴らしさに目を奪われる。暖色系のトーンに包まれ、その奏でる音が聴こえてくるかのような、美しくエレガントなチェロの弾き姿・・。これは彼女の母方の祖父で日本画家の加藤晨明が描いた「響」という作品。 そして彼女の父親は音楽評論家の長谷川武久、父方の祖父の長谷川英三も音楽にも造詣が深い高名な建築家 と、彼女の恵まれた境遇にはあらためて驚く。 とはいえ、コンクール入賞歴やその後の... ...続きを見る

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2010/12/13 21:18
「楽器から見る オーケストラの世界」
佐伯茂樹氏による、「楽器の歴史」、「楽器から見る吹奏楽の世界」に続くカラー図解シリーズ第3弾(河出書房新社/2010.10.30)。 失われつつある各オーケストラのローカルな楽器に焦点を当てつつ、名曲が書かれた時代の楽器や編成の違いなどが、豊富なカラー写真を交えながら丁寧に解説されている。 一見、初心者向けの入門書にも見える体裁だが、実はひじょうにマニアックな内容で、ここまで念入りに分析、解説された本は他にないと思う。初めて知る事実も多く、ひじょうに面白く、また勉強になった。 たとえば、バ... ...続きを見る

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2010/11/05 22:39
「カルロス・クライバー〜ある天才指揮者の伝記 下〜」
アレクサンダー・ヴェルナー著、喜多尾道冬、広瀬大介訳(音楽之友社/2010.10)、上巻発売から約一年。 http://zauberfloete.at.webry.info/200910/article_17.html クライバーの音楽と同様、極めてエキサイティングな内容で400ページを超える大作だったが一気に読み終えた。 オケの団員始め周囲の関係者へのインタビューや関連記事、文献など客観的資料を集大成したもので、その意味で臨場感もあり、これまで明らかにされていなかったことがらも多く、ひじ... ...続きを見る

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2010/10/29 20:27
最近読んだ本2010/9〜10
●「言葉にして伝える技術〜ソムリエの表現力」田崎真也著(祥伝社新書/2010.10) 我々が普段、「おいしさ」を表現するために何気なく使っている言葉はおよそ不完全なものばかり(例:こんがりきつね色、こくがあってあっさりしている、オーガニックの野菜だから、食べやすい・・)であり、味や香りについてはほとんど何も語られていない。 ソムリエは、五感で感じたことを言葉に置き換える。いつでも思いだし、より明確に呼び起こすためには言葉が必要であり、そしてその言語は他人と共有できなくては意味がないという。ま... ...続きを見る

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2010/10/18 23:42
「終わらざる夏」
「終わらざる夏(上下)」浅田次郎著(集英社/2010.7)を読み終えた。上下各巻400ページを超える大作だったが、読み始めたら止まるところを知らず、他のやるべきことをすべて後回しにして多大な休日の時間を使うこととなった。 心に残る作品だったかどうかは、何年か経たないと分からないかも知れない。が、この作品を読み終わった後、私はすぐに日常生活に復帰することができなかった・・。 「人が人らしく生きるとは、どういうことか――」、戦争について、人に対する優しさとは、また、今の自分についてあらためて考え... ...続きを見る

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2010/09/19 23:25
音楽の生まれるとき〜作曲と演奏の現場〜
井阪紘と西村朗の対談集(春秋社/2010.8)。 著名なレコード・プロデューサー井阪のこれまでの仕事について、作曲家の西村が対談相手を務めた記録。 井阪の経歴などは繰り返さないが、現在、日本のクラシック界において世界に通用するプロデューサーは井阪以外にはほとんどいないのではないか。 http://zauberfloete.at.webry.info/200609/article_11.html 今回の対談で語られた数々の「現場」の話はひじょうに面白かった。 アイヒホルン=リンツ・ブルッ... ...続きを見る

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2010/09/12 22:35
最近読んだ本2010/8
●「静けさを残して鳥たちは」片山恭一著(文藝春秋/2010.6) 久しぶりに片山の著作を読んだ。 「東京、福岡、四国、五島、ローマ、ベネツィア、パリを結ぶ、愛と愛の不在の物語。」というコピー。 ロジカルに突きつめようとするとちょっと苦しいストーリーではあったが、現実と非現実の狭間をさまよう不思議な体験ができた。読み応えは十分。 著者によれば、「鳥は、生と死を媒介するもの、現在と過去を往来するものといったイメージや表象を担わされている」という。そんな鳥たちに導かれて死者たちが「現前」し始め... ...続きを見る

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2010/09/08 22:56
「ヨハン・シュトラウス管弦楽曲完全全集 全曲目解説」
木管五重奏演奏会のプログラムに載せる曲目解説執筆に取り組んでいる。 http://zauberfloete.at.webry.info/201008/article_5.html 6曲分の解説をA5サイズに収めなければならず、本当に必要最低限度のエッセンスだけを分かりやすくまとめなければならない。「魔笛」序曲の解説を数行でまとめるのは至難のワザだし、シュトラウスの曲の解説というのもあらためて考えてみるとなかなか難しい。音楽辞典、レコードやCDの解説(日本語の解説にはロクなものがない)、インタ... ...続きを見る

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2010/08/10 23:21
最近読んだ本2010/6〜2010/7
●新版「古楽のすすめ」金澤正剛著(音楽之友社/2010.7) 音友オルフェ・ライブラリーの一冊。A6版260ページ余りの本だが2400円という高価格。 初版は1998年に出版されたとのことで、これは改訂版。私は初めて読んだのだが大変参考になる内容で面白かった。「ド・レ・ミの起源」、「シャープとフラットの歴史」などは音楽をやる人にとっては教養としてぜひ知っておくべき内容と思う。 そして、「イネガル(不均等)の奏法」。17世紀中頃から18世紀にかけてフランスで一般に行われていた奏法で、「八分音... ...続きを見る

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2010/07/25 23:57
最近読んだ本2010/4〜2010/5
●「武満徹 エッセイ選〜言葉の海へ〜」 小沼純一編(筑摩書房/2008.9) 文庫化されてすぐ購入したのだが、購入した本はどうしてもプライオリティが下がり、やっと読み始めたのが今年になってから。ただし行き帰りの電車の中(乗っている時間はのべ30分もない)だけなためなかなか読み終わらず、ずいぶんかかって読み終えた。 この中の一部は、「音、沈黙と測りあえるほどに」で大昔読んだことはあり、他のエッセイも断片的に読んだことはあったのだが、今回ほど感銘を受けたことはなかった。とにかく「濃い」内容で、音... ...続きを見る

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2010/05/31 23:58
「船に乗れ! 」
ある指揮者の方のブログでこの本のことを知り、その後すっかり忘れていたのだが、書店の店頭で現物と対面しこれは読んでおかねばと思った。早速図書館に予約を入れたのだが70人待ち(!)という状況だったため、それまで待てずに購入し読み始めた。第1巻は「のだめカンタービレ」的な内容とも思ったが、第2巻では予想を大幅に覆す展開となり半日以上かけて第3巻まで一気に読み終えた。良い本だった。 藤谷修著ジャイブ刊、全3巻でそれぞれ下記のようなサブタイトルがついている。 船に乗れ! T合奏と協奏(2008.10)... ...続きを見る

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2010/03/28 22:22
「やっぱり、カラヤン」クラシックジャーナル040
アルファベータ社刊、クラシックジャーナル第40号(2010.3.20)、カラヤン特集号。 構成としては、三澤洋史(合唱指揮者)、角皆優人(スキーヤー)、板倉重雄(音楽評論家)、中川右介(編集長)による座談会、裄野條「私のカラヤン」、中川右介「カラヤンのライヴとレコーディング」、最上英明「カラヤンとイースター音楽祭」、土井尊博「カラヤンとマーラー」、角皆優人「カラヤンとわたし」というもの。 客観的な新しい事実に関する記述は皆無で、ある意味では恐ろしく主観的なカラヤン論で満たされている。が、基本... ...続きを見る

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2010/03/23 23:58
最近読んだ本2010/2〜2010/3
●「越境する天使 パウル・クレー」宮下誠著(春秋社/2009.12) 昨年5月、47歳で急逝した宮下の遺作。残された原稿を、夫人、友人らが協力して出版にこぎつけたという。 クレーの芸術は、様々な「プラットフォーム」を自由に往還する、融通無碍な、しかし常に死と向き合った深刻な芸術である、という前提に立ち、さまざまな視点からその作品を分析、解説していく。多くの図版を引用しつつ、それに付された著者独自の視点が興味深い。例えば、「忘れっぽい天使」について。 晩年のクレーが己の死と対峙し、奔流のよう... ...続きを見る

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2010/03/18 21:24
最近読んだ本2010/1〜2010/2
●「オペラ・ノート」吉田秀和著(白水uブックス/2009.9) 1991年に白水社から出版されたもので、モーツァルトやヴァーグナーのオペラを中心とした演奏会/ディスク評および吉田氏の体験・想いなどが語られる。 ヤナーチェクの「利口な女狐の物語」の素晴らしさ、「ばらの騎士」の(モーツァルトを除けば)最もオペラ的なものの精華について、こたえられぬ「コジ・ファン・トゥッテ」の味、などなど、吉田氏の文章を読んでいるとあらためて実際にその曲を聴きたくなってくる・・・。自分が聴き逃していたその曲の素晴ら... ...続きを見る

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2010/02/26 23:12
「指揮者が語る!〜現代のマエストロ、29人との対話」
ディーター・ダーヴィッド・ショルツ著、蔵原順子/石田桂子訳(アルファベータ/2008.12)。オリジナルは、Parthas Verlag GmbH,Berlinより2002年に出版されている。 著者が、ザンデルリンク、ショルティ、ディヴィス、マゼール、マズア、メータなど29人にインタビューしたものをまとめたもの。 最も興味深く読んだのはアーノンクールの章。「私たちは博物館員ではない」というサブタイトルがついている。以下、部分的抜粋。 ・通常、教本には生徒に伝えるべきこと、生徒がまだ知らない... ...続きを見る

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2010/02/14 14:18
マーラー:「少年の不思議な角笛」
吉田秀和氏による「永遠の故郷」シリーズの「夜」、「薄明」に続く第3作「真昼」(集英社/2010.1)を読んだ。このシリーズは歌曲をテーマにした内容で「すばる」に連載されていたもの。表紙にピカソの絵が使われており、ひじょうに美しい装丁となっている。 今回は大半がマーラーの歌曲(「少年の不思議な角笛」、「大地の歌」など)に費やされており、私自身馴染みのある曲だっただけに大変興味深く読んだ。 吉田氏の文章を読んでいたら途中でどうしてもこの曲を聴きたくなり、ディスクを取り出した。とはいえ私が持ってい... ...続きを見る

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2010/02/12 21:33
「オペラ版 雨夜の品定め」
「オペラ版 雨夜の品定め〜名作オペラのベストキャストは?〜」黒田恭一著(音楽之友社/2010.1) 昨年亡くなられた黒田恭一氏の遺作。「レコード芸術」1999年1月号〜2001年12月号に連載されたものを収録。 「ばらの騎士」の元帥夫人、「セビリャの理髪師」のフィガロ、「ワルキューレ」のウォータンのように、オペラに登場する役柄(主役とは限らない)を採り上げ、数々の録音におけるその役を歌っている歌手に焦点をあてる。採り上げられている役柄は、ヴェルディのオペラの役柄が9、プッチーニ:6、ワーグナ... ...続きを見る

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2010/02/04 21:46
最近読んだ本2009/12〜2010/1
●「チェリビダッケの音楽と素顔」フリードリヒ・エーデルマン著、中村行宏・石原良也訳(アルファベータ/2009.11) 1977〜2004年、ミュンヘン・フィルの首席ファゴット奏者を務めた著者が語るチェリビダッケの回想録。 私自身、チェリビダッケの絶対的信奉者ではないが、あの音楽づくりには学ぶべき点があると思っている。そのチェリビダッケの音楽づくりに立ち会った楽員により、さまざまな事実が語られており大変興味深かった。(以下、一部引用) チェリビダッケは木管楽器の増員(ダブル化)を頻繁に行い、... ...続きを見る

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2010/01/29 22:31
「オーケストラが好きになる辞典」
緒方英子著「知ってるようで知らない オーケストラ楽器おもしろ雑学辞典」(ヤマハミュージックメディア/2003.9)に大幅な加筆・修正を加えられて文庫化されたもの(新潮文庫/2010.1)。 この本は教科書的な楽器の解説本ではなく、実際に楽器を演奏している現場の方々によるナマの声が集められている。その意味では独断と偏見に満ちている内容と言えなくもないが、個人的にはひじょうにおもしろく、大変参考になった。これほど実用的な(?)本も珍しい。 私がまず実践してみたのは、クラリネット奏者の加藤明久氏が... ...続きを見る

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2010/01/15 22:06
茂木大輔「のだめカンタービレの音楽会」
オビには、「のだめ」を支える音楽家だけが知る「リアルのだめ」の世界、「読んで楽しむ」というサブタイトルもついている(講談社/2009.11.26)。 N響オーボエ奏者である茂木氏が、娘さんを連れて駅前の本屋に行き、そこで「のだめカンタービレ」と初めて出会った時からこの物語は始まる。楽器の描写の正確さにまず驚き、ドイツ語の正確さにも驚き、とりあえず2冊買って帰宅。その一時間後、再び本屋に戻った茂木氏はその時出版されていた「のだめ」全巻を購入する。その翌日、茂木氏が編集部と二ノ宮さんに手紙(感動と... ...続きを見る

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2009/12/14 22:04
最近読んだ本2009/11
●「儒教と負け犬」酒井順子著(講談社/2009.6) 今回の内容はエッセイというよりは、「儒教の残滓が東アジア儒教国の三国に晩婚化と少子化をもたらしたのではないか」という仮説に基づく、ソウル、上海における勝ち犬/負け犬グループインタビューによる定性調査と、その二都市に東京を加えた三都市での定量調査(サンプル数:各200)の調査レポート、仮説の検証になっている。さらに、日本の貝原益軒、福沢諭吉の著作、さらに中国の劉向という人によって書かれた「列女伝」についても言及し、その背景を固めている。いかに... ...続きを見る

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2009/12/06 22:13
最近読んだ本2009/10
●「北門の狼〜重蔵始末(六)蝦夷篇〜」逢坂 剛著(講談社/2009.8) 久しぶりの重蔵シリーズ。 私は知らなかったのだが、主人公の近藤重蔵という人、江戸時代後期の幕臣、探検家として実在の人物で、クナシリ(国後)、エトロフ(択捉)の日本帰属の礎を作った人らしい。第六作になって、いよいよ(?)蝦夷地へ赴くことになる。最上徳内というこれも実在の人物が登場するのだが、逢坂氏のことなのでかなり史実に忠実に書かれているのではと推測される。 本書だけで一応物語として完結してはいるが、実は前作からずっと... ...続きを見る

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2009/11/17 23:46
最近読んだ本(音楽関係)
●「巨匠たちの録音現場〜カラヤン、グールドとレコード・プロデューサー」井阪紘著(春秋社/2009.8) レコード芸術誌に連載されていたものの単行本化かと思っていたが、全体の半分近くのページを占めるカラヤンの章は書き下ろしとのこと。レッグ、カルショウ、ゲルデス、ヒルシュなどとカラヤンの仕事を振り返りつつ、カラヤンに雇われていたミシェル・グロッツについて、井阪氏は「カラヤンと同じ耳を持っていたら」プロデューサーとしては相応しくなく、本当に良いレコードを作りたいのであれば、自分とは美的感覚を持った人... ...続きを見る

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2009/10/29 20:48
「吹奏楽の世界」
佐伯茂樹氏による最新刊、<カラー図解シリーズ 楽器から見る「吹奏楽の世界」>(河出書房新社/2009.10.30)。 吹奏楽、ブラスバンド、マーチングバンドで使われている楽器を通して、それぞれの違いや歴史について豊富なカラー写真とともに詳細かつわかりやすい説明がされている。 特に、木管/金管楽器については各楽器の解説と同時に、その楽器の昔の姿が載っており大変貴重な資料にもなっている。また、イングリッシュ・ホルンの歴史、呼び名についてとか、コントラファゴットの変遷の話、バスクラりネットの種類と... ...続きを見る

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2009/10/27 23:44
「カルロス・クライバー〜ある天才指揮者の伝記 上〜」
アレクサンダー・ヴェルナー著、喜多尾道冬、広瀬大介訳(音楽之友社/2009.9.30)。 原題はCARLOS KLEIBER Eine Biografie 2008 Schott Music GmbH & Co.KG、<ベルリン 1930年・・・ある伝説の誕生>から<バイロイト 1976年・・・「緑の丘」への別れ>までが収められている。本文だけで476ページという大作。 天才としか言いようのないそのエレガントでスマートで音楽的な指揮姿。クライバーの指揮を見て、音楽を聴いて心踊らない人はいない... ...続きを見る

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2009/10/20 22:04
最近読んだ本 2009秋
●「あまネコと一緒に 劇場へ行こう!〜クラシックから伝統芸能まで〜」(ネット武蔵野/2009.4) イラストを雨田光弘、ナビゲーターを黒田恭一が務め、オペラ、ミュージカル、オーケストラ、合唱、室内楽など、さらに第二部では雅楽、能、狂言、文楽、歌舞伎、落語などの伝統芸能の楽しみ方をサポートする内容。それぞれに専門家が登場し、わかりやすくその魅力を語る。青少年向け(?)の芸術入門ガイドのような内容だが、特に日本の伝統芸能の章はふだん、なかなか訊けないような話も含まれており参考になった。 ●「最初... ...続きを見る

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2009/09/22 18:38
「わかりやすく<伝える>技術」
池上彰著、講談社現代新書から2009年7月に発刊されている。 NHK「週刊こどもニュース」の時代から池上彰氏のファン(?)で、そのわかりやすい解説は群を抜いていたと思う。「こどもニュース」とは言え、むしろ大人だからこそ「人に訊けないこと」を理解できる数少ない機会だった。そういえば、氏が解説していたテレビ朝日の番組は終了してしまったのだろうか・・。 この本は、池上氏のテレビでの経験を活かした、「わかりやすい説明の方法、プレゼンテーションで留意すべきこと」などについて、ひじょうに「わかりやすく」... ...続きを見る

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2009/09/18 21:40
「ベルリン・フィル あるオーケストラの自伝」
原題は<Die Berliner Philharmoniker Eine Biografie>著者はHerbert Haffner(ヘルベルト・ハフナー)、Schott Music GmbH より2007年に出版。なお、日本語版は市原和子の訳により春秋社から2009年8月に出版されている。 著者のハフナーは音楽・演劇を専門とするフリー・ジャーナリスト。 第1章 楽団の誕生(1882〜87)、以下、ビューロー、ニキシュ、フルトヴェングラー、チェリビダッケ、カラヤン、アバド、ラトル、それぞれの... ...続きを見る

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2009/09/12 14:05
最近読んだ本
●ウィンナ・ワルツ/加藤雅彦著(日本放送出版協会/2003.12) ハプスブルク帝国の遺産としてのウィンナ・ワルツの歴史、19世紀初頭から世紀末ウィーンまでを辿る。印象的だったのは「ワルツの起源」の章で、ウェーバーの「舞踏への勧誘」を範としてウィンナ・ワルツは誕生する、と言い切っているということ。 ●ドイツ料理万歳!/川口マーン恵美著(平凡社新書/2009.7) かの「証言・フルトヴェングラーかカラヤンか」の著者によるドイツ料理紹介本。アイスバインはドイツ国内ではあまりポピュラーではない、... ...続きを見る

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2009/09/04 22:17
佐伯茂樹氏からのコメント
佐伯茂樹氏から先日の「夏の夜の夢」に関するコメントをいただいた。 http://zauberfloete.at.webry.info/200907/article_20.html 「N響の夏の夜の夢で使用していたのは普通のユーフォニアムです。コンペセイティング(セミダブル)なのでHの音は出すことが可能です。ちなみに、夏の夜の夢の自筆譜の指定はオフィクレイドではなくイングリッシュバスホルン です。ズィーレのをオフィクレイドと呼ぶのは問題でしょうね。あれは定義としてはボンバルドンです。」とのこ... ...続きを見る

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2009/08/07 22:04
和声感
金聖響+玉木正之「ロマン派の交響曲(「未完成」から「悲愴」まで)」講談社現代新書/2009.5(「ベートーヴェンの交響曲」に続く第2弾)を読んでいたら、次のような大変興味深い記述があった。少々長くなるが引用する。 <ドイツ人が奏でるドイツ音楽と非ドイツ人が奏でるドイツ音楽の違い、についてさんざんドイツ人に訊いたが、結局はっきりと言葉では答えてもらえなかった。が、いろいろ音楽を聴くなかで決定的に違う部分があることがわかった。それは、和声感が備わっているかどうかだということ。 音楽というのは、主... ...続きを見る

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2009/07/30 22:08
「素顔のカラヤン〜二十年後の再会〜」
眞鍋圭子著(幻冬舎新書/2009.7.30)、今日店頭に並んだばかりの新刊。 眞鍋さんは元々音楽ジャーナリストで、ベームやサヴァリッシュに関する著書/訳書もあり、その後サントリーホールのプロデューサとしてオペラ、ウィーン・フィル演奏会等の企画を手掛けていらっしゃる方。そして、私の大学&大学オケの先輩でもあり、私が現役時代のドイツへの演奏旅行の際にも大変お世話になった方である。 さて、この本、私にとって「証言・フルトヴェングラーかカラヤンか」川口マーン惠美著(新潮選書/2008) http:... ...続きを見る

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2009/07/29 22:54
若杉弘氏のこと
若杉弘氏が亡くなられた。74歳、指揮者としてはまだまだ現役の年齢であり、あまりにも早すぎるご逝去、心から哀悼の意を表したいと思う。 私が高校2年の時、若杉氏と知り合いの同級生がいて、彼と一緒にオケの何人かと読売ランドにある読売日響の練習場に若杉=読響の練習を見学に行ったことがあった。その時の曲目はワーグナー:「神々の黄昏」から「ジークフリートの葬送行進曲」他。間近で聴くプロオケの音量、迫力、凄さに圧倒されたことを今でもはっきりと覚えている(余談ながら、その時トロンボーンを吹いていたお二人に、後... ...続きを見る

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2009/07/22 22:53
「音楽の聴き方」
岡田暁生著、中央公論新社より6/25に発刊されたもの。 先日読んだばかりの、この人の著作http://zauberfloete.at.webry.info/200906/article_11.html が印象的だったので買ってみた。なお、名著とされる「西洋音楽史」(中公新書)は未だ読んでいない。 テーマがあまりに抽象的で大きすぎるとは思ったが、読み始めてみるとあまりのおもしろさに、並行して読んでいた本をすべて中断して一気に最後まで読み切ってしまった。 ...続きを見る

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2009/06/28 23:04
「恋愛哲学者 モーツァルト」
岡田暁生著、2008年3月に新潮選書として発刊されている。著者は1960年生まれ、京都大学人文科学研究所准教授。 モーツァルトのオペラに関する書としては出色のものと思う。大変面白く読んだ。 著者は、この書において「後宮からの逃走」から「魔笛」に至るモーツァルトの5つのオペラを「恋愛五部作」として読み解こうとする。そして、この5つのオペラは、たまたま手に入った台本にモーツァルトが霊感のおもむくまま次々に素晴らしい音楽を書き飛ばしていったのではなく、真っ先に作曲されなければならなかったのは「後宮... ...続きを見る

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2009/06/17 22:11
最近読んだ本
相変わらず支離滅裂で何でもありの世界だが、とりあえず最近読んだ本。 ●「日本人の知らない日本語」蛇蔵&海野凪子著(メディアファクトリー/2009.2) 外国人に日本語を教える著者の体験談をプロのイラストレータが漫画にした抱腹絶倒、無茶苦茶面白い一冊。ただ面白いだけでなく、ためになる知識、異なった角度から物事を見るヒント、切り口などが満載で、短時間で読めるし絶対のお薦め。日本語に興味ある人はもちろん、そうでない人でも抵抗なく読めると思う。 ●「幸田文しつけ帖」青木玉編(平凡社/2009.2)... ...続きを見る

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2009/06/09 12:02
追悼 黒田恭一氏
黒田恭一氏が亡くなられた。 サライのCD評コーナーが中断したままだったので心配していたのだが、71歳というまだまだこれからの時期のご逝去。NHKの番組にもつい最近まで出演されていたと思ったのだが・・。 私にとって黒田氏は素晴らしい音楽をたくさん教えてくれた先生だった。黒田氏によって私の音楽(ジャンル)が拡がったことは間違いない。 私が黒田氏を知ったのは70年代前半、FM放送、テレビでの解説、レコード芸術、ステレオ サウンド、FMファンなどの雑誌での評論を通じてだった。そして、黒田氏が推薦す... ...続きを見る

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2009/06/04 21:25
パウル・クレー
先々週の日曜は普段の日より早起きして出かける用事があったため、日曜美術館も録画しておいたのだがやっと観ることができた。 私の大好きなパウル・クレー(1879〜1940)特集で、主にBunkamuraでの展覧会で展示された作品を辿る内容のもの。 http://zauberfloete.at.webry.info/200901/article_15.html 音楽にしても美術にしても芸術/文化とは言え、政治、時代背景とは切り離せない部分があるのは紛れもない事実であり、クレーもその生きた時代がも... ...続きを見る

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2009/05/22 23:22
最近読んだ本
●永遠の故郷<薄明> 吉田秀和氏による、永遠の故郷<夜>の続巻(集英社/2009.2.10)。新聞広告を見逃したのか、書店で実際に発見するまでこの本が出版されたことを知らなかった。今回はフランス歌曲が中心で、ブラームスやマーラー(「リュッケルト」)も一部登場するが、主にビゼー、ドビュッシー、中でも大半がプーランクの歌曲のために費やされている。私にとっては未知の作品ばかりでCDももちろん持っていない。そのため、曲に共感することは残念ながらできなかったが、詩を読むだけでもその価値はあろう。 なお... ...続きを見る

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2009/05/13 23:18
「東海道ライン〜全線・全駅・全配線〜」
【図説】日本の鉄道、と題されたシリーズで、「東海道ライン」第1巻、東京駅―横浜エリアという本。講談社から2009年3月18日に発刊されている。 私はこの本の存在を新聞広告で知った(新聞広告はそれなりの効果がある!)のだが、普通にこの本を書店の店頭で発見することは至難の業と思う。 まず、「東海道ライン」とは、編著者の川島令三氏が考案した造語で、JR東海道本線にスポットをあて、かつ、連絡するJR、私鉄、地下鉄、モノレールなども含めた大きな「ライン」として捉えたものとのことである。 これまで、路... ...続きを見る

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2009/04/29 22:42
「ある指揮者の提言」
指揮者、フェリックス・ワインガルトナー(1863〜1942)によって書かれた著作で、<ベートーヴェン交響曲の解釈>というサブタイトルが付いている。初版は1906年、日本では糸賀英憲の訳により昭和40年に音楽之友社から出版されている。 書棚の奥に隠れていた本書を久しぶりに取り出してきて読み直してみた。 ワインガルトナーの意図はひじょうに分かりやすいもので、「明瞭な部分について、重要なパートを浮かび上がらせ、あまり重要でないパートは抑えること、つまり、作品の旋律的な進行を明瞭に把握すること」がそ... ...続きを見る

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2009/04/21 22:37
「シモネッタのドラゴン姥桜」
著者はイタリア語通訳として第一人者の田丸公美子さん。 http://zauberfloete.at.webry.info/200709/article_1.html 一部、別冊文藝春秋に載っていたものに加筆、修正を加え、文藝春秋から2009年1月に発刊されている。 この本は、実際にあった子育ての話として読んではいけない。あくまで理想の、フィクションとしての「子育て長編劇」として読むべきであると思う。 そもそも開成から現役で東大(法学部)に進んで(まではまだ良いとしても)、在学中に司法試験... ...続きを見る

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2009/03/03 21:17
「クラシック新定番100人100曲」
著者は林田直樹という音楽ジャーナリスト、アスキー新書から2008年12月に出版されている。 ターゲットと思われるのは、まったくの初心者ではなく、ある程度クラシック音楽を聴き込んだ人。もしかしたら、かなりの聴き手にとっても新しい発見を与えてくれる本のようにも思う。 通常の入門書と異なるのはまず「クラシック音楽」の定義。バッハからショスタコヴィッチまでではなく、パレストリーナからジスモンチまで、と時代的にも地理的にも従来の枠をはみ出している。次に、選び出された100人の作曲家が同列に扱われている... ...続きを見る

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2009/02/17 21:22
「ヴェネツィアの夜」
奈良原一高による写真集 「ヴェネツィアの夜」(岩波書店/1985)を図書館で借りてきた。 「ヴェネツィアの夜の光景に魅了された写真家が10年の歳月を費やし、落日、舟の描く光跡、橋と迷路と広場、雷光、花火などその華麗な闇の世界を精緻な感性に裏づけられた目で捉える」というコピーがついている。 実物を見ずに予約したのだが、借りに行ったら予想以上の大型本(LPサイズ、132ページ)で驚く。6000円以上する高価な本で、現在は入手不可能のようだ。巻末に塩野七生によるヴェネツィアにまつわる素晴らしい文章... ...続きを見る

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2009/02/13 22:36
「ホルニストという仕事〜音楽家のビジネスライフ〜」
2000年3月に春秋社より出版されていた本なのだが、私自身その存在を知らず、最近某ブログで見かけたので早速入手して読んでみた。 原題は、"THE BUSINESS:The essential guide to starting and surviving as a professional hornplayer"、プロのホルンプレイヤーとしてスタートし、生き残っていくための不可欠なガイド、という副題がついている。 著者は、ジェフリー・ブライアント、ジュリアン・ベイカー、ジョン・ピニエギー、フ... ...続きを見る

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2009/02/10 23:16
最近読んだ本
●「ダブル・ファンタジー」:村山由佳(文藝春秋/2009.1) 村山由佳の最新作で、昨年の夏まで「週刊文春」に連載していた小説。サブタイトルは〜私はまだ、”本当の自分”と出会っていない〜。「天使の卵」や「おいしいコーヒーのいれ方」などの路線を期待して読む人は、今回の過激さには当惑することとなるだろう。主人公、三十五歳の脚本家・高遠奈津の生き方に共感するかどうか、またその是非は別として、女、男、夫婦、人生、といったものについてあらためて考えさせられる作品ではあった。これまでのすべての村山作品とは... ...続きを見る

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2009/01/30 21:59
ユリイカ 2009年1月号〜特集 米原万里〜
ユリイカ1月号は米原万里さんの特集。たまたま書店の店頭で目に入ったから良かったが、危うく見逃してしまうところだった。 2006年5月に亡くなられてから既に2年半以上が経つ。昨年秋には山形で「米原万里展」が開かれたという。 今回の特集には初公開という米原さんの詩、大学院時代の詩論(「ネクラーソフ・最後の詩集『終焉の歌』を中心とする抒情詩群(1)」)、幼年時代からの写真集、ほか生前に書かれた(おそらく初公開の)エッセイ、対談記録、そして多くの人が米原さんに寄せた文章の数々が180ページ近くにわた... ...続きを見る

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2009/01/07 22:25
「カラヤンとともに生きた日々」〜エリエッテ・フォン・カラヤン回想記〜
原書は、<Mein Leben an seiner Seite>、ベルリンのUllstein Buchverlagより2008年に出版されており、日本でもアルファベータ社より同年7月に松田暁子訳により出版されている。 31年間、ヘルベルト・フォン・カラヤンの妻として生涯を共にしたエリエッテ夫人による回想記。カラヤン生誕百周年のうちに何とか読み終わった。 プロヴァンスでの少女時代、ディオールのモデル時代などの章を序章として、カラヤンとの出会い、結婚、イザベルとアラベルの誕生など、並行してフィル... ...続きを見る

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2008/12/30 17:45
「オーケストラの経営学」
著者は大木裕子という方で、東京藝大音楽学部器楽科卒業後、ヴィオラ奏者として東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団に入団、その後、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科に入学、MBA、博士を取得、現在京都産業大学経営学部准教授という肩書きを持つ。なお、標題の書は東洋経済新報社より2008年10月30日に出版されている。やや拡げすぎという感じもしたが、なかなか面白い内容だった。 この本は、以前に出版された「芸術の売り方〜劇場を満員にするマーケティング〜」 ジョアン・シェフ・バーンスタイン著、山本章子訳... ...続きを見る

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2008/12/23 17:38
竹取物語
江國香織による口語訳による現代版「竹取物語」(新潮社/2008.08)。 この本の構成は第一部が浮世絵版画家の立原位貫による「絵巻 竹取物語」、第二部が江國による「物語 竹取物語」という形になっている。絵巻には立原の版画が12点、対応する原文がそれぞれ数行添えられている。そして、この版画が実に素晴らしいもので大変美しい。この版画は江戸時代の浮世絵と同じ手法、絵の具、紙などを使って制作されたものだという。江國自身この作品を観て、「物言わぬ絵たちの語る物語を言葉にしたい」と思ったことが、この本... ...続きを見る

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2008/12/17 22:38
「右岸」&「左岸」
明日の返却期限を前に、どうにか借りている本を読み終えた。 ●辻仁成:「右岸」(集英社/2008.10) ●江國香織:「左岸」(集英社/2008.10) 「冷静と情熱のあいだ」以来の二人による協働作品。同じ対象を双方が自由に表現する手法で、どちらから読んでも良いしそれぞれが独立した作品となっているが、両者を読むことによって二つの作品が見事に融合するという仕掛けになっている。 気軽な恋愛小説、と思って「右岸」から読み始めたのだが、なかなかシリアスと言うか重みのある作品で波乱万丈の展開となる。... ...続きを見る

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2008/12/15 23:40
たまっていく本
購入はしたが、未だ読んでいない本が4〜5冊、雑誌も2〜3冊はある。さらに、図書館で借りてきたものの、まだ手がついていない本が2冊、さらに予約してあった本の順番がまわってきたためそれを2冊借りてきたりしたので、読むべき本がどんどんたまっている。 演奏会や諸々の作業が一区切りついたのは良いが、平日の夜は仕事、送別会、忘年会などに追われる日が続いている。休日は休日で、このところいろいろな出かける用事ができて、ゆっくり音楽を聴いたり本を読んだりする時間がほとんどない。 ブログというのも、単に日常生活... ...続きを見る

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2008/12/11 23:19
帝国オーケストラ The "Reichsorchester"
これまでBSで放送されたり、DVDも発売されてはいたが、「ディレクターズカット版」というのを劇場で観た。 原語の副題はThe Berlin Philharmonic and the Third Reich。ヒットラーによって支配されていた「第三帝国」時代におけるベルリン・フィルという楽団の姿を、当時の団員の証言を中心に構成した記録映画。監督は「ベルリン・フィルと子どもたち Rhythm is it!」という作品 http://zauberfloete.at.webry.info/200710... ...続きを見る

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2008/11/28 22:27
酒井順子「おばさん未満」VS山本貴代「晩嬢〜バンジョーという生き方〜」
酒井順子さんの最新著作(集英社/2008.9)。 そもそも私のようなおじさんがこの本のターゲットであるとはとても思えないのだが、酒井順子ファンとしては新刊にも一応目を通しておきたいという欲求もあり、とりあえず読んでみた(特に今回は、水森亜土さんによる可愛らしいイラストが表紙カバーを飾っており、ちょっと手に取るだけでも気恥ずかしい)。 40代初めのおそろしく観察眼の鋭い女性が見た、言葉、服、健康、余暇、親、恋、友達などについての現代が、おばさんという局面にフォーカスして語られる。 いきなり最... ...続きを見る

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2008/11/06 22:31
最近読んだ音楽関係の本
●「ビルギット・ニルソン〜オペラに捧げた生涯〜」:ビルギット・ニルソン著/市原和子訳(春秋社/2008.8) 1918年スウェーデン生まれの世界的ソプラノ歌手、ビルギット・ニルソンの自伝。1997年にスウェーデンの批評家によって選ばれるユーモア賞を受賞しており、広告コピーにも「抱腹絶倒」とあったのだが、それほどのシニカルさもなく、かなり真っ当な自伝と思った。小さな頃にその才能を見出され、幸運にも恵まれながら大オペラ歌手への道を着実に上り詰める・・。才能があったことももちろんだが、その努力にもあ... ...続きを見る

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2008/11/04 21:37
「証言・フルトヴェングラーかカラヤンか」
最近読んだ本の中では飛び抜けてエキサイティングで興味深いものだった(川口マーン惠美著、新潮選書から2008/10/24刊)。 このタイトルを聞いた人は、1987年に出版されたヴェルナー・テーリヒェン(高辻知義による日本語訳は1988年音楽之友社刊)の著作を思い出すだろう。 この本は、下記の元ベルリン・フィル楽員(注:ヴァツェルは現役奏者)たちにインタビューした内容をまとめたもの。テーリヒェンには2回、ハルトマンには3回インタビューしたとのことで全部で14章構成になっている。なお、●印はフルト... ...続きを見る

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2008/10/26 23:28
文庫本の価格
最近は雑誌を除き、ほとんど本を買わなくなった。 新刊ハードカバーの読みたい本は図書館で予約するので、よほどのことがない限り買わないし、最近は知人から面白かったという本(主に文庫本)を借りたりもしている。一回読んで終わりではなく、将来、参照したり読み返したりしそうな本だけは購入することにしているが、そのような本に限って高い・・。 久しぶりに文庫本を買った。 ●ちくま日本文学019 永井荷風(筑摩書房/2008.7.10) *大きさは文庫本と同じ ●言葉を育てる 米原万里対談集(ちくま文庫/... ...続きを見る

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2008/10/02 22:27
ウィーン・フィル&ベルリン・フィル 最新パーフェクト・ガイド
ONTOMO MOOKとして音楽之友社より9月に発行されたもの。 この手の本は昔から何度も発売されており、内容的にもあまり大したことはないので、書店の立ち読みで済ませるつもりだったが結局購入してしまった。1700円なので決して安くはない。内容的にはムーティとラトルのインタビュー、両オケの歴史、指揮者たち、名盤の紹介など。 さて、個人的に興味があったのはやはり何をおいても楽員情報。とはいえ、私にとって目新しい情報だったのはキャリー・デニスがロサンゼルス・フィルに移るということくらい。ベルリン・... ...続きを見る

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2008/09/14 23:19
「上海クライシス」
春江一也による「プラハの春」「ベルリンの秋」「ウィーンの冬」(中欧三部作)、「カリナン」に続く第5作。2007年4月に集英社インターナショナルから出版されていたのだが迂闊にも見逃しており、最近やっとそれを知ったため早速読み始め、数日で読み終えた。比較的細かい字で600ページ近い大作だったが、本当に面白い本は読み進めば進むほどそのスピードが加速するという傾向があり、この本もそれに当てはまることとなった。 ...続きを見る

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2008/08/30 23:39
もう一度読みたい本
珍しく、土曜日の夜に練習がなかったのでまる2日の休みとなった。 読んでいない本、聴いていないCDもあったのだが、せっかくの機会なので五木寛之の「四季」を読み直してみることにする。福岡に生まれた小峰家の四人姉妹それぞれの辿る劇的な人生が細やかなタッチで描かれる長編。 ○四季・奈津子(MORE1977年7月号〜1979年7月号掲載/単行本1979.7) ○四季・波留子(MORE1979年9月号〜1980年12月号、1984年10月号〜1986年12月号掲載/単行本1987.3) ○四季・布由... ...続きを見る

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2008/08/17 18:14
(まとめて)最近読んだ本〜その2 音楽関連書〜
●「天上の音楽・大地の歌」 なかにし礼著(2001.5/音楽之友社) なかにしの音楽に対する鋭い視点、深い共感、熱い情熱、思い入れが見事に表現されている。クラシックに限らず、アマリア・ロドリゲス、デューク・エリントン、ラヴィ・シャンカールなどその対象は幅広い。さらに、この本はカメラマン田村勝弘による秀逸な写真の数々がこの音楽エッセイ集を飾り、奥行きを与えている。 ...続きを見る

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2008/08/14 22:12
(まとめて)最近読んだ本
●「本番に強い人、弱い人」本田有明著(PHP選書/2007.5) ステージで上がらないために何か良い方法でもあるのかと思い読んでみたが、内容は完全にビジネス書。 「なぜ気合を入れた企画はボツになりやすいのか」、「なぜ素直なクレーム対応が顧客を怒らせるのか」、「なぜ熟慮したはずの転職で後悔する羽目になるのか」などなどの問題に答える。面接試験で自然体でふるまえても、ステージで上がらないとは限らない。 ●「世界一やさしい問題解決の授業」渡辺 健介著(ダイヤモンド社/2007.6) マッキンゼー... ...続きを見る

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2008/08/07 22:58
オーケストラの105人
この本について、私はまったく知らなかったのだが、茂木大輔氏の「音大進学・就職塾」の中に「本を読め」という章があり、そこで推薦されていた10冊のうちの1冊がこれ。 http://zauberfloete.at.webry.info/200807/article_16.html 茂木氏がわざわざ推薦するのも納得できる良い本だと思う。 原題は、 <The Philharmonic Gets Dressed> Kara Kuskin(カーラ・カスキン)... ...続きを見る

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2008/08/05 21:32
「チューバはうたう mit Tuba」
私はこの本をタワーレコードの音楽関係書籍売場で知ったのだが、このような本を書店の店頭や図書館で見つけることは難しい。著者は瀬川深(小児科医)、筑摩書房から2008/3/20に出版されている。 タイトルにもなっている「チューバはうたう mit Tuba」ほか、「飛天の瞳」「百万の星の孤独」の計三編が収録されている。なお、この「チューバはうたう」は第23回(2007年)太宰治賞を受賞したとのこと。 茂木大輔氏の 「音大進学・就職塾」と並行して読んでいたのだが、超現実的な音大対応指南の書に対し... ...続きを見る

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2008/08/04 21:14
「音大進学・就職塾」
茂木大輔氏の最新著作(音楽之友社/2008.8)。 「バンドジャーナル」誌に2005〜6年に連載された「職業音楽家を目指すヒトのためのもぎぎ塾」をもとに、大幅に加筆修正されたものという。 タイトルの通り、音大→プロを目指す(特に管楽器専攻の)学生、もしくはその親をターゲットに書かれた本であり、一般音楽ファン向けのものではない。とはいえ、私のようなプロ志向崩れのアマチュア音楽愛好家が読んでもなかなかおもしろい内容ではあった。 音大に入ることも難しいが、音大へ入ったからといって、プロになれるワ... ...続きを見る

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2008/07/29 23:10
「三拍子の魔力」
なかにし礼著、毎日新聞社からの刊(2008.3.30)。「サンデー毎日」に連載(2006/4〜2007/7)していたものに加筆修正したものとのこと。 オビには「歴史の通奏低音として、秘かに鳴り続けていた魔のリズム。」などと大層な表現がされているが、「三拍子」は一つの切り口であって、この書は著者による「音楽と旅」に関するエッセイと言える。ただ、音楽の中でも、クラシック音楽、それも主にモーツァルト、ベートーヴェンとフリーメーソンに焦点を当てた異色の内容となっているのが特徴だが。 著者は、「フリー... ...続きを見る

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2008/07/03 22:01
「モーツァルトの回廊」
海老澤敏著、MOZART CHRONICLE 2006のサブタイトルを持っている(春秋社2008.3)。 モーツァルト研究の第一人者として知られる海老澤氏が、モーツァルト生誕250年を期に、新聞雑誌その他の寄稿した論稿、コンサートでのレクチャー、プログラムに掲載した解説などがまとめられている。 第一部はモーツァルト祝年に対する氏の感懐や反応など、モーツァルトを題材にしたビジネスへの批判も一部込められており、第二部はモーツァルトの諸相として、歌曲、オペラ、ソナタ、コンチェルトなどの分析、第三部... ...続きを見る

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2008/07/02 21:40
「音楽遍歴」
小泉純一郎氏による、「音楽遍歴」 日経プレミアシリーズ(2008.5/日本経済新聞出版社)。 読んでみて、この人は本当に音楽好きな人だとつくづく思った。 中学時代にヴァイオリンを手に取るところから始まり、フランチェスカッティの弾くメンデルスゾーンのVnコンチェルトのレコードを買ってきて擦り切れるほど聴き返す。自分にとってのクラシック音楽との出会いと、それをより深いものにしていく体験が率直に語られている。 ・クラシック音楽は、まず何回も聴いて覚えること。覚えないとその良さもわからない。 ・... ...続きを見る

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2008/06/28 12:30
BOOK STORE
新刊情報などは新聞やネットでチェックはできるが、CDなどとは違い、やはり店頭で直接手に取ってパラパラ見てみたいのが本。最近は置き場所の関係もあり、購入する冊数もめっきり減って、もっぱら、興味のある新刊が出ると、まず図書館の予約をするという行動パターンとなってしまった。もちろん、特定のジャンル、作家の本は購入しているが・・。 以前、勤務先が神田にあった頃は、三省堂、書泉(ブックマート&グランデ)、東京堂などに毎日のように通い、時間があれば古賀書店や原書房始め、古書店街をうろうろすることが多かった... ...続きを見る

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2008/06/19 22:19
「心臓に毛が生えている理由」
米原万里さんが亡くなってから早いものでもう2年が経つ。 亡くなってからも何冊かの本が出版されてきたが、これが最後のエッセイ集らしい(角川学芸出版/2008.04.30)。 この本は、新聞や広報誌などに掲載された全71編のコラム、エッセイなどをまとめたもの。ちなみに、最も新しい原稿は2005年4月の日付を持っている。 いつもながら、同時通訳としての経験に加え、鋭い視点と考察、ウィットとユーモアを織り込みながら、テーマは政治、経済、文化、哲学、歴史、言語、食、花、・・・、その扱う領域は驚くほど... ...続きを見る

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2008/06/16 22:33
ジム・フジーリ 「ペット・サウンズ」
著者のジム・フジーリは1953年生まれのアメリカの小説家(ミステリ小説)でロックやポップスの評論もしている人とのこと。アメリカでは2005年に出版されているが、日本では村上春樹氏の訳によって2008年2月に新潮社から出版されている。 「ペット・サウンズ」は1966年、ビーチ・ボーイズによる演奏で発売されたアルバムで、その後現在までに900万枚を売り上げ、ロックの歴史を変えた名盤とされている。 「ペット・サウンズ」については、山下達郎による名ライナー・ノーツを始めさまざまな解説、評論が存在し、... ...続きを見る

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2008/06/13 21:40
「おひとりさまの老後」
上野千鶴子著、法研より2007年7月第一刷発刊。 ベストセラーということで結構話題にもなっていたので、今年の初め頃、図書館に予約を申込んだのだが、その時の予約順位は150番(!)くらい。品川区内にある10館の図書館全体での予約件数なので、最低でも10冊の在庫を一人あたり2週間貸し出したとして、30週=約7ヶ月ということでやっと順番がまわってきた。予約が100件を超していたのは、私の記憶では「話を聞かない男、地図が読めない女」以来だと思う。 読み終わったあとでAmazonのカスタマーレビューを... ...続きを見る

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2008/06/12 21:34
「鎖された海峡」
第二次世界大戦下のスペインを舞台に、日本の諜報員 北都昭平が活躍する、逢坂剛氏のライフ・ワークとも言うべきイベリア・シリーズの第5作。 前作の「暗い国境線」が出版されてから約2年半近く、やっと続編の出版となった(2008.4/講談社)。 http://zauberfloete.at.webry.info/200601/article_19.html 内容については詳しく記さないが逢坂氏渾身の作だけあって、期待通りの充実した、読み応えのある素晴らしい作品だった。このようなテーマをここまで面白... ...続きを見る

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2008/06/02 23:57
「ハイスクール1968」
四方田犬彦著、2004年2月に新潮社より出版されている。 新刊ではないが私の知人のHPに絶賛文が載っていたので読んでみた。この人、映画評論家として名前だけは知っていたが私にとって初めての作家。 著者が高校へ入学した1968年4月から、浪人時代を経て大学に合格した1972年3月までの著者自身の高校時代が語られる。が、この高校が「普通の」高校ではなく、東京教育大学農学部附属駒場高等学校(当時の教育大附属駒場高校、現在の筑波大附属駒場高校)という超エリート校。1967年に、かの都立高校の学校群制度... ...続きを見る

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2008/05/21 23:02
「カラヤン帝国興亡史〜史上最高の指揮者の栄光と挫折〜
著者は中川右介(幻冬舎新書/2008.3)、元々「クラシックジャーナル」に連載していた「カラヤン帝国衰亡史」に大幅な加筆、修正を行ったもの。 タイトルが「衰亡史」から「興亡史」に代わった訳はわからないでもないが、個人的には「衰亡史」の方が本書の内容をよく表しているのではないかと思う・・。 カラヤンに関する書物はかなりの点数出ているが、本書はかなり異色な一冊。あとがきで著者も述べているように、本書は、「カラヤンの<芸術>そのものについて論じるどころか、記すこともせず、カラヤンの生涯におけるポス... ...続きを見る

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2008/05/16 22:16
「名画の言い分」
木村泰司著(2007.7/集英社)、〜数百年の時を超えて、今、解き明かされる「秘められたメッセージ」〜というサブタイトルがついている。著者は西洋美術史家、「エンターテインメントとしての西洋美術史」をめざし、講演会、セミナー、イベント、エッセイ執筆などで活躍中という。 前書きの中で著者は、「美術は見るものではなく、読むものです」、「感性で近代以前の西洋美術を見ることなど不可能」、と言い切る。また、「画家が自由に自分の好きな絵を描くようになったのは18世紀以降のことで、それ以前の作品は、古代ギリシ... ...続きを見る

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2008/05/07 20:53
「拍手のルール」
茂木大輔氏の何冊目かわからないが、最新の著作。<秘伝クラシック鑑賞術>というサブタイトルがついている(中央公論社/2008.4)。 全6章中、拍手のルールについて書かれているのが一章分(ページ数にして全体の4分の1)、あとはクラシック音楽全般、コンサート鑑賞法・マナー、交響曲解説などが茂木氏独特の語り口によって綴られている。 結局のところ、演奏者の立場として、また聴衆の立場からも、「フライング拍手」は謹んで欲しいということが最も言いたいことだと思うし、私自身も絶対に止めて欲しいと思う者の一人... ...続きを見る

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2008/04/15 21:33
「東京クラシック地図」
散歩の達人ブックス(大人の自由時間)シリーズ(?)の一冊で、交通新聞社刊(2007.12)。名曲が流れる隠れ家案内(東京の名曲喫茶、レストラン&バー)、音楽ホール案内、至高のクラシック音楽専門店案内(レコード&CDショップ、楽器店、書店、オーディオショップ)のような構成になっている。 まず、懐かしかったのは名曲喫茶「ライオン」(渋谷)の紹介。他にも荻窪、吉祥寺、国分寺などの何店かが紹介されていたが、私が知っているのは「ライオン」のみ。この店は現在でも健在のようだが、同じく渋谷にあった「らんぶる... ...続きを見る

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2008/03/28 22:18
四つの最後の歌
吉田秀和氏の「永遠の故郷 夜」(集英社/2008)を読む。 「すばる」に連載中のエッセイをまとめたもの。想像していたよりも小型の本で、ルソーの「Carnival Evening」を使用した美しい装丁になっている。中心となっているテーマは歌曲で、フォーレ、リヒャルト・シュトラウス、ヴォルフ、ブラームスなどの曲がとりあげられている。後半はヴォルフの歌曲集についての記述がかなりのウエイトを占めているが、私にとってヴォルフというのは未知の作曲家。詩だけ読んでいてもそれなりに楽しめるのではあるが、やはり... ...続きを見る

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2008/03/22 12:54
春分〜リパッティ、カラヤン〜
今年は閏年のせいか20日が春分。昨日までの暖かさはどこへ行ったのか、朝から冷たい雨。 昨日がリパッティの誕生日だったことを思い出し、午前中、ずいぶん久しぶりに「ブザンソン告別ライブ」を取り出した。 極めて格調高いバッハ、飛翔するモーツァルト、不動の美しさのシューベルト、そして自由でしなやかなショパン、どれをとっても感動的な演奏で、録音の貧しさも気にならない素晴らしさ・・。当日の演奏会の通り、最後に「主よ、人の望みの喜びよ」を聴く。 さて、次に何を聴こうかと考え、ちょうど読んでいた吉田秀和氏... ...続きを見る

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2008/03/20 20:47
智天使ケルビム
ずいぶん前に買ってはあったのだが金聖響、玉木 正之著「ベートーヴェンの交響曲」 (講談社現代新書/2007)をやっと読んだ。 玉木は前書きとあとがきだけで、実質的には金の著作であり、ベートーヴェンの交響曲を一曲ずつ採り上げて解説している。が、本書はあくまでも「クラシック初心者がベートーヴェンの交響曲を聴くにあたってのガイドブック」であり、そのため金聖響は、「従来ベートーヴェンの交響曲に植えつけられた先入観を排除する」ことに力を注いでいる。 クラシック初心者にとっては本書の内容はかなり新鮮... ...続きを見る

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2008/03/18 20:59
好きな画家
会社の近くの書店で洋書バーゲンをやっており、ちょっとのぞいてみると、ドガ、セザンヌ、モネ、クリムト、ロートレック、ムンクなどの画集がすべて半額だった。Grange Booksという出版社から出ている本で、比較的小型ながらなかなか装丁も立派で美しい本。どれも美しくて欲しかったのだが、しばらく立ち読みしていて結局購入したのはクリムトの画集。 ○Island on the Attersee(1901) ○Forest of Beech Trees I (1902) ○Garden with ... ...続きを見る

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2008/03/13 22:18
ジョン・カルショウ:「レコードはまっすぐに」
原題は<PUTTING THE RECORD STRAIGHT>(1981 Martin Secker & Warburg Limited)、山崎浩太郎氏による全訳は2005年5月に学習研究社より出版された。 ジョン・カルショウ(1924〜1980)は、イギリスのデッカ・レコードのプロデューサとして1950年代から1960年代にかけて大活躍し、「ニーベルンクの指環」の史上初の全曲スタジオ録音など、数多くの名盤を世に送り出した。本書は録音時のエピソードや音楽家たちとの交流を自伝としてあらわしたも... ...続きを見る

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2008/01/31 21:49
「クラシックCD 異稿・編曲のたのしみ」
近藤健児著、青弓社より出版(2006.12)されており、「クラシックCD 異稿・編曲のよろこび」という続編もある(2007.9)。 「Zauberfloete通信」を引用してくれたある方(その方はちゃんとトラックバックしてくれた)のブログの中に、「この本の中で紹介されたZauberflote通信〜」という記述があったため、とりあえず入手して読んでみた。 この本は、同曲異演追求、同一演奏家偏愛、有名作曲家の無名曲/無名作曲家の作品探索のいずれでもない、「異稿」(作曲者が自分の作品を改訂した結果... ...続きを見る

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2008/01/24 21:36
「疾風怒涛のクラシック案内」
宮本文昭著、アスキー新書からの新刊(2007.12)。 あとがきで著者本人が語っているように、この本はクラシック音楽の知識・説明の書ではなく、宮本自身の体験に基づくクラシック音楽の紹介本である。入門用に読むのであればもっと適切な本があると思うが、オーケストラを30年間やってきた人の貴重な体験と音楽に対する印象を自由に綴ったもので、今さら「いざない」は不要である私個人としては大変興味深く読んだ。 宮本は「演奏という行為には、知識よりファンタジーのほうが数百倍大事」と言っており、まったくその通り... ...続きを見る

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2008/01/18 22:17
「携帯の無い青春」vs「美か、さもなくば死を」
酒井順子と林真理子の最新刊。私は二人とも大好きな作家でほとんどの作品は読んでいる。二人の共通点といえば広告業界にいたくらいで、あとは正反対(禁欲的⇔享楽的/分析的⇔感性的etc.)の二人だが、読者層もおそらくまったく異なるのだろう。とはいえ、この二人を読んでおけば一応時代の流れは確認できる。 まず、酒井順子:「携帯の無い青春」(幻冬舎/2007.11)。 雑誌「星星峡」に連載(2005/8〜2007/7)したものの単行本化。出版社の「バブル期の青春モノを」という提案に対して書かれたエッセイ集... ...続きを見る

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2008/01/12 10:08
新世界交響曲
かなりポピュラーな曲であるにもかかわらず、私が持っているディスクは下記の4枚のみ。 ○ケルテス=ウィーン・フィル(1961/DECCA) ○クーベリック=ベルリン・フィル(1972/DG) ○カラヤン=ウィーン・フィル(1985/DG) ○アバド=ベルリン・フィル(1997/DG) LP時代、最初に買った演奏はアンチェル=チェコ・フィルのものだったが、次に買ったケルテスの演奏・録音があまりに素晴らしく、インパクトが強かったので、その後ずっと他の演奏を聴く気にはならなかった。次に買ったの... ...続きを見る

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2007/12/30 12:05
スカルラッティ:「ファンダンゴ」
海野碧「迷宮のファンダンゴ」(光文社/2007.10)を読んだ。 「再会した直後、女は失踪した。深い迷宮へと誘うように。」というコピー。 「東京・調布に自動車整備工場を構えた大道寺勉がテレビの中に見つけたのは、23年前、アメリカのサバイバルキャンプ時代に愛した女、マリアン・ドレイパーだった。来日中のハリウッドスターのボディガードを務めていて、大きな交通事故に巻き込まれたらしい。入院中の彼女と再会した勉だが、数日後、彼女は突然病院から姿を消した・・。」 「水上のパッサカリア」の続編、とはいっ... ...続きを見る

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2007/12/13 23:06
ジョンとヨーコのバラード
12月8日というのは、調べてみるとシベリウス(1865〜1957)や、ジェイムズ・ゴールウェイ(1939〜)の誕生日ということがわかったが、私にとって忘れられないのは、あのジョン・レノンが凶弾に倒れた日(1980.12.8)であること。ジョンは1940年生まれだからあの時まだ40歳。もうあれから27年が経つ。 ジョンの作とされる曲は、「ヘルプ」、「ア・ハード・デイズ・ナイト」、「プリーズ・プリーズ・ミー」、「愛こそはすべて」など数え上げれば限りないが、私が個人的に最も好んでいる曲は「ジョンとヨ... ...続きを見る

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2007/12/08 23:04
「N響80年全記録」
佐野之彦著、文藝春秋社からの出版(2007.9)。 1926年の「新交響楽団」結成以降、80年間の軌跡を追う。章立ては下記の通り。 第一章 新交響楽団の旗揚げ 第二章 迫り来る戦火 第三章 焦土からの復活:ここまでは言わば前史で、今ではとても考えられない創世記が語られる。 第四章 NHK交響楽団の誕生:1953年に来日したジャン・、マルティノンの神業、1954年のカラヤンの単身来日時のエピソードについては断片的には伝えられてはいたが、低音パートを先に弾かせるやり方とか、「聴いて合わせる... ...続きを見る

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2007/11/15 22:40
酒井順子:「黒いマナー」
酒井順子さんの最新作(文藝春秋/2007.9)。 結婚、おつきあい(食事、メール、受験、注意、謝罪)、季節(都会、別れ、贈答、パーティ、年賀状)、関係性(母と娘、格差、自慢、勝負、プライバシー)、危険(ハゲ、露出、悪口、年齢、マナー)と、幅広い切り口で「現代の」マナーが彼女ならではの持ち味で語られる。 返信メールのタイトル、「Re:」の後は書き直してあった方が嬉しい、とか、若者の場合、「人は、他人の携帯を見る生きものである」という認識を最初から持っている、という指摘、「男からはフェイドアウト... ...続きを見る

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2007/11/13 21:07
管楽器おもしろ雑学事典
「知ってるようで知らない管楽器おもしろ雑学事典(ヤマハミュージックメディア/2007.11)」 ヤマハミュージックメディア社から、おもしろ雑学事典として、これまで、「吹奏楽」、「コンクール」、「指揮者」、「オーケストラ楽器」などのシリーズが出ていたが、今回、「管楽器」が登場した。 元々私はこの手の本には全く興味がないのだが、著者が佐伯茂樹氏とあっては買わない訳に行かない。佐伯氏は現在東京藝大講師、その著作「名曲の『常識』『非常識』オーケストラの中の管楽器考現学」(音楽之友社)は画期的... ...続きを見る

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2007/11/07 22:51
「モーツァルトのシンフォニー」
ニール・ザスラウ(Neal Zaslaw)著「モーツァルトのシンフォニー」(東京書籍/2003)。 モーツァルト関係の新刊は一応チェックしてはいるのだが、この本はずいぶん前(原著は1989 年、翻訳されたのは2003年)に出版されていたのだが見落としていた。茂木大輔氏のブログでその存在を知り、慌てて(?)注文し、ようやく先日届き読み始めた(最近は、購入したり、読み始めた時点で紹介してしまう・・)。それにしても上下巻セットで12,000円と恐ろしく高価な本。とはいえ、(自称)モーツァル... ...続きを見る

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2007/10/22 22:04
「栄光のフルーティストたち」
音楽之友社1994.10刊というやや古い本。著者は近藤滋郎という人で「フルート&フルーティスト」という雑誌に掲載された記事と、それに加えて新たに書き下ろされた部分からなっている。 ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ロシアのオケのフルーティスト、モントリオール響(ハッチンス)、後半は、ガロワ、ベネット、ゴールウェイへのインタビュー、最終章に日本のフルーティストという構成になっている。 ロシアのオケのフルーティストの記述がいやに多かったり、人によっては既存の文献だけで簡単に済ませて(?)しまっ... ...続きを見る

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2007/09/23 13:44
「林住期」
1970年代終わり頃に「燃える秋」を読んで以来、五木氏のファンになり、その後、氏のほとんどの作品を読んできた。 特に好きな作品は、「青春の門」、「白夜物語(中でも「ヴァイキングの祭り」)」、「朱鷺の墓」、「四季」などだろうか。氏の小説のストーリーに自分の恋愛体験を重ねていた頃の時代が懐かしい。 五木氏の最後の恋愛小説である「四季・亜紀子」が出版されたのは2000年10月。が、それ以前から五木氏のテーマは「大河の一滴」、「蓮如」などに代表される人生論、仏教論が中心となり、私自身、少しずつ五木氏... ...続きを見る

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2007/09/14 21:31
「ニーベルングの指環〜 リング・リザウンディング〜」
「ニーベルングの指環〜 リング・リザウンディング〜」 John Culshaw著/山崎浩太郎訳/学習研究社(2007.9.10) ...続きを見る

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2007/09/11 22:02
田丸公美子:「シモネッタのデカメロン」
「シモネッタのデカメロン〜イタリア的恋愛のススメ〜」(文藝春秋/2005.8)をやっと読んだ。 最近読んだ本の中では、抜きん出て面白い本だった。万人に自信を持ってお薦めできる本ではないが、親しい人にはこっそり教えたい。 著者の田丸公美子さんはイタリア語の通訳・翻訳をその生業としている人。かの(故)米原万里さんに言わせると「彼女より巧いイタリア語通訳は日本に存在しない」というほどの人である。田丸さんがその通訳稼業で仕入れたネタを惜しげもなく披露する。 あとがきで、田丸さんは、14世紀の書「デ... ...続きを見る

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2007/09/01 16:38
「千鶴子には見えていた!〜透視は、あっても不思議はない〜」
竹内久美子女史の最新刊(文藝春秋/2007.7)。週刊文春のシリーズを単行本化したもの。例によって、動物行動学の最新研究成果が盛り込まれている。が、このタイトル、一見しただけでは分からないが、明治末の東京帝大の福来(ふくらい)助教授が研究した御船千鶴子の話。いろいろな実験を繰り返し、彼女が実際に「透視」を行っていたことを立証しかけるが悲劇的な結末によって中断してしまう・・。 日本の近代化に「迷信」の類は妨げであるという風潮が高まってきたことによるものだが、まったく「地震雲」にしても、「星占い」... ...続きを見る

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2007/08/29 22:52
米原万里の「愛の法則」
集英社新書の2007.8.22付の新刊。 「発明マニア」(毎日新聞社/2007.3)は買って途中まで読みかけたものの、まだ読み終わっていない。が、こちらは店頭に並んだ日に買い求め、翌日には読み終えた。 米原さんが行った講演会の記録。 ●「愛の法則」(2005.6.28/石川県立金沢二水高等学校) ●「国際化とグローバリゼーションのあいだ」(2004.10.5/愛媛県立三島高等学校) ●「理解と誤解のあいだ‐‐通訳の限界と可能性」(1998.10.23/愛知県主催シリーズ講演会「文化夜話... ...続きを見る

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2007/08/19 12:25
絵本作家 中川ひろたかさん
情熱大陸(TBS/日曜23:30〜)を観た。 中川ひろたか:絵本作家、これまでに100冊以上の絵本を執筆しており、2005年には作品「ないた」が第10回日本絵本大賞を受賞している。 私自身、「動物園にはいれた動物とはいれなかった動物たちのうた」を持っているし、NHK「ワンツー・どん」時代からのファンである。 中川さんは絵本作家とはいっても絵は描かずに文章(テキスト)だけを書く。実際に絵を描くイラストレーターなどとのコラボレーションによって表現の幅が広がることを楽しみたいからだという。 番... ...続きを見る

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2007/08/06 22:09
ヘンデル:「パッサカリア」〜組曲第7番より〜
「水上のパッサカリア」に登場したヘンデルの「パッサカリア」のディスクを入手した。 http://zauberfloete.at.webry.info/200706/article_8.html もともとこの曲は鍵盤楽器(クラヴィーア、チェンバロ、ハープシコード・・)のための組曲第7番の終曲として書かれている。ヘンデルの一連の鍵盤曲は、イギリス王女の音楽教育に使われたものとされ公開の演奏会を目的としたものではないが、ヘンデルの生前に組曲集とフーガ集あわせて3巻が出版されている。この組曲の中で最... ...続きを見る

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2007/08/02 23:02
「(もっと知りたい) クリムト〜生涯と作品〜」
東京美術社/NEO企画編集によるABCアート・ビギナーズ・コレクションの一冊。著者は成城大学の千足伸行教授(2006.12刊)。この「もっと知りたい」シリーズは、北斎、ピカソ、ダ・ヴィンチ、若冲などが既に出版されており、他に「すぐわかる」シリーズというのもあるらしい。 私はクリムトを始めとするウィーン分離派ファンであり、この本、書店の店頭で手に取って少し立ち読みしていたのだが、なかなか良くできていた(?)ので思わず衝動買いしてしまった。オールカラーで約80ページ。代表作はほぼ網羅されており、価... ...続きを見る

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2007/08/01 23:57
「ピアノはなぜ黒いのか」
著者、斎藤信哉氏は楽器店で営業、調律などの現場に長くたずさわった人。幻冬舎新書(2007.5)への書き下ろし。 日本製のピアノの色はなぜ画一的に黒なのか、という素朴な問いを投げかけつつ、ピアノの歴史、日本における大量生産技術の発達、普及過程などを現場の視点から解きほぐしていく。 そもそもヤマハ、カワイ以外の日本のピアノメーカー(ブランド)を知っている方は何人いるだろうか?この本の巻末に、日本で生産されたピアノブランド一覧表というのがあり、そこには約300近い数の名前が載っており、これにはまず... ...続きを見る

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2007/07/29 16:06
「バイオリニストは肩が凝る」
サブタイトルは「鶴我裕子のN響日記」(アルク出版企画/2005.6)。著者の鶴我さんはこの4月にN響を卒業されたばかりの元N響1stVn奏者、クレーメルと生年月日が同一だという。 実はこの本、出版された時に一回図書館から借りて読んだのだが、もう一度読みたくて今回は2度目となる。 茂木大輔、宮本文昭各氏などの著作について以前書いたように、オーケストラプレーヤーの体験話はとにかく面白い。 http://zauberfloete.at.webry.info/200705/article_1.ht... ...続きを見る

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2007/07/23 20:44
津原泰水「ブラバン」
不思議な小説だった(バジリコ/2006.10)。 図書館で予約してからだいぶ待たされ、ようやく借りて読み始めたのだが、登場人物は多い(34人!)し、盛り上がりにも欠けるので、数十ページ読んだところで次の本に移っていた・・。が、返却期限の当日の午前中、もう少し読んでみようと思い読み始めたら急に引き込まれ、結局すごい集中力(?)で、連続して4時間余りをかけて400ページ弱の大作を読了した。 話は逸れるが、「ブラスバンド」というのは正式にはいわゆる「金管バンド」を指すが、ここではもちろん、「吹奏楽... ...続きを見る

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2007/06/27 22:17
アンネマリー・クライネルト:「世界最高のオーケストラ ベルリン・フィル」
原著は、Berliner Philharmoniker Von Karajan bis Rattle/Annemarie Kleinert(Berlin Jaron 2005)。邦訳では「2時間でわかる 世界最高のオーケストラ ベルリン・フィル マニアのための、さらに3時間分の詳細な注釈付き」というタイトルになっている(アルファベータ/2007.6)。 著者は、ヨーロッパ文化史の研究家で、フランス文学、歴史、哲学、地理、テキスタイルデザインなどを専攻し、歴史学博士号を持つ。18〜19世紀フラン... ...続きを見る

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2007/06/22 23:24
「水上のパッサカリア」
海野碧という女性作家による、第十回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した作品(光文社/2007.3)。 タイトルの「パッサカリア」は、ヘンデルのチェンバロ組曲第7番ト短調のことで、主人公が愛した菜津の好きだった曲として登場する。私も知らなかった曲で、この本をきっかけにぜひ聴いてみたいと思った。グルダ(amadeo)、ケフェレクなどのピアノによるディスクが出ているようだ。 ミステリーともいえるが、前半は恋愛小説、後半はハードボイルドもので個人的にはなかなか楽しめた。読み始めたら一気に読み終えな... ...続きを見る

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2007/06/11 21:18
「すぐ忘れる男 決して忘れない女」
原題は「Why Men Never Remember and Women Never Forget」、マリアン・レガト著/下村満子監訳/山田睦子訳(朝日新聞社/2007.4)。 著者はコロンビア大学医学部教授、「ジェンダー スペシフィック メディスン」:性差に配慮した医療を世界で初めて提唱した人である。 本書のタイトルにもある、女性の方が男性よりも話し言葉に対する記憶力が優れている、という理由を、女性の脳における言語をつかさどる部分の血流が多いこと、ホルモン(男性の場合:テストステロン、女性... ...続きを見る

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2007/06/08 22:30
「管楽器演奏の技法〜技術から芸術へ〜」
原著は、「THE ART OF WIND PLAYING」(1975/Macmillan Publishng Co.,Inc)、著者はArthur Weisberg(1931年ニューヨーク生まれ、ジュリアード音楽院に学び、ファゴット奏者としてヒューストンSO、クリーヴランドO、ボルティモアSOなどで活躍、その後、イェール大学で後進の指導にあたる)。 この本は故田中雅仁氏による訳で1988年に音楽之友社から発刊されていたのだが、今回私は初めて読んだ。 管楽器の演奏技法について、ダイナミクスとイ... ...続きを見る

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2007/05/19 12:30
月島慕情
浅田次郎の最新刊(文藝春秋/2007.3)。オール読物などに載った7編の短編集。浅田の作品は欠かさず読んでいたが、この数年、読んでもピンとこない作品が続いたので、しばらく敬遠していた。これは久しぶりに私好みの作品集だった。 私は、すべての浅田作品の中で、いまだに、単行本「霞町物語」(講談社/1998)に収められている「夕暮れ隧道」を最も好んでいる。「天切り松」シリーズもかなり好きな作品だが、いずれにしても氏の作品のテーマは、人と人とのふれあいというか、人に対する思いやり、優しさ、ということに尽... ...続きを見る

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2007/05/07 22:48
オーボエとの「時間(とき)」
この3月で引退表明をした宮本文昭氏による最新著作(時事通信社/2007.4)。 オーケストラ・プレーヤーが書いた本は最高に面白い。J.ゴールウェイ「わがフルート人生」(シンフォニア/1989.10)、K.ライスター「ベルリン・フィルとの四半世紀」(音楽之友社/1987.11)、そして茂木大輔氏による「オーケストラは素敵だ」他の著作、どれも私自身、何回も読み返している。 今回の宮本氏の40年以上に及ぶ音楽生活のレビューもそのような一冊と言える。ベートーヴェンの「第九」に感動してクラシックの道に... ...続きを見る

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2007/05/01 22:17
「みんなのうた」が生まれるとき
2006年4月に発売されたソフトバンク新書の一冊。著者は川崎龍彦氏(元NHKのプロデューサで、「レッツゴーヤング」、「ときめき夢サウンド」などの演出を手がけ、その後、NHKエンタープライズに転籍、「みんなのうた」は8年間担当)。実はこの方、私の高校オケの先輩でトランペットを吹かれていた。もう何十年もお会いしていないが、こうした形でお目にかかれるのは嬉しい。 私にとっての「みんなのうた」体験は、川崎氏の分類による「創成記」の頃。小学校の担任の先生が歌好きで、「みんなのうた」をテキストに毎日歌って... ...続きを見る

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2007/04/29 20:37
「指揮棒は魔法の杖?」
原題は<Der Taktstock>、エックハルト・レルケ編、サブタイトルは〜マエストロが語る「指揮棒」考〜(音楽之友社/2007.2)。 実はこの本、図書館で借りたのだが、読み始めるまで内容が「指揮」のことではなく、「指揮棒」のことであるということに気づかなかった。1999〜2000年にかけて39人の指揮者に「指揮棒」についてインタビューした内容をまとめたもの。登場する指揮者は、ハイティンク、ブロムシュテット、レヴァイン、ディヴィス、ヤンソンス、マズアなど著名な人から中堅どころ、私の知らない... ...続きを見る

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2007/04/26 23:15
「パウル・クレーと愛の詩集」
プチグラパブリッシング社刊による世界の名詩集T(2007.1)。 ヘルマン・ヘッセやゲーテ、リルケ、ハイネ、アポリネール、ブレヒト、イェイツなど、それに高村光太郎、北原白秋、島崎藤村などによる詩、計28編がクレーの「天使」他の作品とともに収められている。装丁も美しかったのでつい購入してしまった。 私は、詩集というものをあまり読まない。この数年間で買ったのは宮沢賢治、イェイツの詩集くらいである。今回、翻訳ものも含めたさまざまな詩をじっくり読んでいて、詩というものはある意味で楽譜に近いのではとい... ...続きを見る

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2007/04/18 22:09
「これで納得!よくわかる音楽用語のはなし」
関孝弘/ラーゴ・マリアンジェラ共著による、イタリアの日常会話から学ぶ音楽用語集(全音楽譜出版社/2006.6)。 「音楽用語」、「楽語」と言われると、専門的で難しそうなイメージがあるが、実は音楽用語のほとんどが日常会話で話される生きたイタリア語が使われている、という事実からこの本は出発している。そして、いろいろな音楽用語について、速度、表情、奏法、音量といった分類から語られる。 例えば、Allegro(アッレーグロ)。実は「速い」という意味はなく、イタリア人は「陽気に」「楽しい」「明るい」と... ...続きを見る

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2007/04/14 12:47
酒井順子:「駆け込み、セーフ?」
酒井順子の最新刊(講談社/2007.2)。2005年4月から2006年7月まで「週刊現代」に連載したエッセイをまとめたもの。 本のタイトルは、酒井の三十代最後の日々を綴ったものだからとのこと。三十代最後の駆け込み行為は二十代最後に比べればはるかに切実、とはいえ、酒井自身語っているようにのんびりしている人もいて、本人は何ら駆け込む気配もなく、イーブンペースを刻みながら四十代になってしまったという。 内容はいつもながら、酒井流のユニークな視点からさまざまな興味深い分析が行われる。以下、見出しだけ... ...続きを見る

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2007/03/27 22:53
過重付点
フレデリック・ノイマン著(為本章子訳)「正しい装飾音奏法」(音楽之友社/1992)を読んでいたら、「過重付点をめぐる事実と虚構」という章があり、以前から私が疑問に感じていたモーツァルトのオペラにおける声楽と伴奏オケの音型の違いについて言及されていた。 なお、「過重付点(overdotting)」という言葉は、アーウィン・ボドキーという人の造語とのことで、「音符に付けられた点の部分が、複付点や、はては三重付点、あるいはそれらに相当する休符ぶん延長され、付点音符に後続する短い音符はできる限り遅れて... ...続きを見る

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2007/03/10 13:28
「たまには時事ネタ」
斎藤美奈子による(たぶん)最新著作(中央公論新社/2007.1)。「婦人公論」の連載コラム「女のニュース」をまとめたもの。 米原万里さんの本に斎藤の話が頻出するので一回読んでおこうとトライした。もともと、斎藤は書評や読書エッセイがその仕事の中心らしく、そのために「たまには」というタイトルになったらしい。2001年5月から2006年12月までの時事ネタ:主に政治、外交、社会、皇室など広範囲な領域に渡り、本人はあくまで「アマチュア目線」を強調するが、その視点、分析の切れ味の鋭さ、語り口の分かり易さ... ...続きを見る

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2007/03/01 21:44
「天から音が舞い降りてくるとき」
「天から音が舞い降りてくるとき」〜音楽の彼方にあるものにU〜(東京書籍/2006.8)。 著者の梅津時比古氏は、毎日新聞学芸部専門編集員、早稲田大学講師で、このシリーズの前書「フェルメールの音」や「<セロ弾きのゴーシュ>の音楽論」、「<ゴーシュ>という名前」他、主に音楽を中心にした著作も多い。この本は毎日新聞夕刊のコラム「音のかなたへ」をまとめたもの。 一編が1300〜1400字程度(見開き2ページ分)のエッセイ(?)が、@ボッティチェッリの青、A天からの手紙、Bヤルベンバー(注:シベリウス... ...続きを見る

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2007/02/08 22:46
「ウィーン わが夢の町」
アンネット・カズエ・ストゥルナート:「ウィーン わが夢の町」(新潮社/2006.12) 著者は、日本名:高島一恵。西宮に生まれ、上海で幼少期を過ごし、中国大陸放浪を経て岡山県に引き揚げるが一家離散で広島の知人宅に預けられ、高校中退。中卒のまま準看護士に。歌手を目指して通信教育で音楽を勉強、その後、親戚の養女となって東京に行き、夜間高校に通いながら坂本博士に師事。24歳で夜間高校を卒業し、音楽大学を受験するがすべて失敗。合唱団に入り、オペラやCMソングをこなす。31歳で日本脱出、ロシアを経てウィ... ...続きを見る

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2007/02/06 22:40
アーノンクール著:「音楽は対話である」
1992年に出版されて以来ずっと絶版になっていたが、改訂第2版として装丁も新たに出版されたもの。那須田務・本多優之共訳(アカデミア・ミュージック/2006.11)。 この本には、アーノンクールがさまざまなところで行った講義や講演の記録、論文が収められている。そして主には、モンテヴェルディ、バッハ、モーツァルトのさまざまな作品を対象にその分析が進められる。 アーノンクールが序文で強調していることは、「絶えず時代によって変化する楽譜の読み方の習慣を知っていて初めて、その楽譜を正しく理解することが... ...続きを見る

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2007/02/02 22:30
「打ちのめされるようなすごい本」
米原万里さんは、私よりちょうど一年早く、私の誕生日の翌日に生まれている。つまり彼女が満一歳の誕生日を迎える前日に私が生まれた訳で、その意味で私と彼女は全く同世代と思っている。昨年亡くなられてから、まだ半年と少ししか経っていない・・。 米原さんのことを私が初めて知ったのは、たぶん「不実な美女か貞淑な醜女か」(単行本は1994年に出版されているが私が買ったのは文庫化された1998年だったと思う)を読んだ時で、大変感銘を受けた結果、その後の著作をすべて読むこととなった。最も印象深く何回も読んだ本は、... ...続きを見る

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2007/01/09 21:58
「女子と鉄道」
酒井順子の最新作(光文社/2006.11)。 ミヒャエル・ゾーヴァの絵(ウサギが列車の座席に座っている)を使った、佐藤可士和による装丁が美しい。 鉄道は、茶道や華道に勝るとも劣らぬ深い魅力がある。終着駅はあってもゴールはないのが鉄の道、と酒井は言う。しかし、鉄っちゃんといえば普通は男の世界。だからこそ「女子と鉄道」のタイトルがこの書の中心的主題になっている(「女子」という言い方がハマっている)。酒井は時刻表を暗記したり、鉄道雑誌を買うこともなく、駅弁も好きではない。乗車すれば眠ってしまうこと... ...続きを見る

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2006/12/29 22:57
長い長いお医者さんの話
本は新刊しか採り上げないことにしていたのだが、今回は例外。「長い長いお医者さんの話」ほか8編が収められている(チャぺック/中野好夫訳 岩波書店1962)。作者カレル・チャペック(1890〜1938)については、恥ずかしながら知識がなかったため調べてみた。 20世紀前半のチェコを代表する作家で、様々なジャンルで筆をふるった才人であり、その作品は、純文学からSF、推理小説、戯曲、童話、評論、伝記、旅行記、エッセイ、新聞のコラムにいたるまで、実に多岐にわたっている。1938年にノーベル文学賞候補とな... ...続きを見る

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2006/12/24 18:56
オケマン大都市交響詩〜オーボエ吹きの見聞録〜
茂木大輔氏による中公新書化第三弾。1997年刊の「オーケストラ空間・空想旅行」(音楽之友社)を改題、再構成したもの。私は既に読んではいたが、またまた購入してしまった。本書の大半が音楽空間旅行として欧米と日本の演奏旅行の様子が語られる。ミュンヘンへの留学時代、リリング=シュトゥットガルト・バッハ・コレギウムとのツアー、シュトゥットガルト・フィルのメンバーとしてのツアーなどなど。 レーゲンスブルク、エーマーラム城の大富豪が開いた大宴会に仕事で招待された様子などは、さながら夢物語で滅法楽しい。一方、... ...続きを見る

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2006/12/07 21:45
有元利夫:「絵を描く楽しさ」
2006年9月新潮社刊。既刊の「芸術新潮」2001.11、「有元利夫 女神たち」(美術出版社/1981)などの文章を増補、再構成したものとのこと。有元の作品が数多く収録されており、大変美しい本に仕上げられている。有元は、芸大卒業後、電通にデザイナーとして入社するが2年で退社、その後、「美の女神」を追い求めるようにひたすら描き続け、わずか10年、38歳で急逝する。「画壇の寵児」となった作品と生涯を、生誕60年を機にふり返る書。 http://zauberfloete.at.webry.info/... ...続きを見る

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2006/11/21 23:01
茂木大輔:「はみだしオケマン挑戦記」〜オーボエ吹きの過酷なる夢〜
中公新書化第二弾。前作と同様、私は既に読んでいる内容なのだがまた購入してしまった。 http://zauberfloete.at.webry.info/200610/article_3.html 初めての自主公演の企画とその実現までが感動的に語られる「オーボエ吹きの<スーパーリサイタル>日記」、N響のヨーロッパ&国内演奏旅行を舞台に現場の話が数多く語られる「ビータ論」。後半は、ある夏の過密日記、モーツァルト:オーボエ四重奏曲を中心としたCDの録音セッションの模様についての話など、大変興味深い... ...続きを見る

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2006/11/14 22:24
名盤鑑定百科:モーツァルト
吉井亜彦氏による「名盤鑑定百科」シリーズは既に5巻が出版されているが、これまでは交響曲、管弦楽曲など、ジャンル別だったのに対し、これは作曲家でまとめた一冊。出版されたのはもう半年以上前(春秋社/2006.3)。 モーツァルトの各ジャンルから57曲が選ばれ、その簡単な曲目解説とディスクリスト、一行コメントがついている。ディスクリストは一曲あたり少なくても約20枚、多いと70枚を超す。これだけの枚数を一度に聴き比べることは時間的に不可能な訳で、氏の40年にわたる鑑賞ノートをもとに構成されているとい... ...続きを見る

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2006/11/07 23:03
茂木大輔:「くわしっく名曲ガイド」
茂木大輔氏の書き下ろし新刊(講談社/2006.10)。 「名曲ガイド」の書名通り、TPO別(時刻、季節、恋愛状況などのシチュエーションに合せた名曲紹介、血液型・星座別「あなたの運命の作曲家はこの人だ!」、後半はオーケストラと指揮者にくわしっくなる、お好きな楽器をピンポイント鑑賞する名曲ガイド、もぎぎの好きな曲紹介、そして最後に、ハイドンの交響曲ガイド、「新世界」、「マタイ受難曲」の曲目解説(ありきたりのものではなく、茂木氏オリジナルの解釈による。これらは実に素晴らしい。)などの構成となっている... ...続きを見る

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2006/11/06 23:04
村山由佳:「永遠。」
私は村山由佳作品の大ファンで、すべての本を読んでいる(というか持っている)つもりだったのだが、迂闊なことにこの作品は見逃していた。単行本は2003/02に講談社から出版されていたらしい。この10月に講談社文庫より発売されたので、即購入した。 この作品は、内山理名の主演映画「卒業」(2002)からインスピレーションを得て書き下ろされたサイド・ストーリーとのこと。とはいえ、単体でもひとつの作品として十分すぎるほど見事に完結している。比較的短編ではあるが、村山作品の中でも五指に入る名作だと思う。 ... ...続きを見る

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2006/10/26 22:50
酒井順子:都と京(みやことみやこ)
酒井順子の最新刊(新潮社/2006.9)で、東京と京都の比較文化論(?)である。 私自身、東京生まれの東京育ちだが、(著者と同様)京都というところには並々ならぬ関心と愛着を持っており、大変興味深く示唆に富む一冊だった。 「いけずと意地悪、もっさいとダサい」、「薄味と濃い味」、「恵文社とabc」、「綿谷りさと金原ひとみ」、「八ツ橋とごまたまご」、「電車と電鉄」など興味深い考察が次々に登場するが、私が最も面白いと感じたのは、「はる」と「らっしゃる」。一見(?)、「はる」は敬語と思われがちだが、身... ...続きを見る

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2006/10/25 23:04
他諺(たげん)の空似〜ことわざ人類学〜
米原万里さんの最後に近い(文藝春秋からあと一冊出るらしい)著作である(光文社/2006.8.30)。 「必殺小咄のテクニック」(集英社新書/2005.12)は、小咄の構造、パターンなどを分類、整理した画期的な本だったが、こちらは小咄を入り口によく知られた諺を提示、それに類似した世界各国の諺、言い回しを紹介する。世界各国にも似たような諺が多く、その表現の仕方の違いが民族性を表しており、結局、諺というのは人生のエッセンスであるということがわかり、それだけでも興味深いのだが、この本は単なる諺の解説書... ...続きを見る

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2006/10/07 15:08
芸術新潮10月号 〜クリムト きらめく黄金の裏側へ〜
書店で立ち読みで済ませようと思ってしばらくページをめくっていたのだが、やはりこれは買わねばならないと思い購入した。 木島俊介氏による 「出世街道からドロップアウト」、「黄金職人のプライド」「画家と女と名声と」などの解説の間に、編集部による「ウィーン紀行:クリムトめぐり一週間」というなかなか興味深い企画がはさまる。この記事は今度(いつになるのかわからないが)ウィーンに行った時に使えそうである・・。そして第四章「夏だけの風景画家」、これが私にとって最も発見の多かった章。私はクリムトの風景画を大変好... ...続きを見る

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2006/10/04 23:02
オーケストラは素敵だ〜オーボエ吹きの修行帖〜
N響首席オーボエ奏者である茂木大輔氏の著作(中公文庫2006.9)。 この本は以前、音楽之友社より発刊された「オーケストラは素敵だ」、「続・オーケストラは素敵だ」(両書とも絶版)を再構成したものである(厳密にはその大半が雑誌「パイパース」に「楽隊新書」として連載していたものを基にしている)。私はその2冊は既に持っており、何回か読み直したりもしているのだが、再発ということでつい購入してしまった。 文庫化に際して特筆すべきは、カバー画・デザイン:南伸坊、オビ:二ノ宮知子、解説:筒井康隆、という超... ...続きを見る

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2006/10/03 22:27
純情きらり〜最終回〜
「純情きらり」が最終回を迎えた。 一週間前くらいから原作である津島佑子著「火の山−−山猿記」上下(1998/講談社)を読み始め、ほぼテレビと同時に読み終わった。原作とテレビは登場人物がほぼ共通とはいえ、設定などがかなり異なっている。原作は勇太郎や由紀子(笛子の娘)他などによる記録、手紙などによる回想記のスタイルで書かれているが、テレビの脚本はそれらを上手く活かして焦点を絞り込んだストーリーを再構成しており、番組が面白かったのもこの脚本の力に依るところも大きかったのではと思う。 私は夏頃から見... ...続きを見る

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2006/09/30 15:03
「クライマーズ・ハイ」
テレビドラマ化もされたこの名作を、文庫化(2006.6/文春文庫)されたのを機に今年こそ読もうと、8月に購入したものの多忙でなかなか読めなかったのだが、やっと今日読了した。 1985年8月、日航ジャンボ機が群馬県上野村山中、御巣鷹山に墜落した。私はこの事故について未だに公には明らかにされていない重要な秘密が隠されていると思っている人間である。が、それはさておき、この本の著者、横山秀夫は当時地元群馬の上毛新聞の記者であり、事故から17年後、主人公「北関東新聞」の「日航全権デスク」悠木に自身の経験... ...続きを見る

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2006/09/19 23:20
井阪紘:一枚のディスクに〜レコード・プロデューサーの仕事〜
現在、カメラータ・トウキョウを主宰する井阪紘氏による最新著作である(春秋社/2006.8)。 つい最近まで「レコード芸術」誌に連載されていたものの集大成であり、「レコード・プロデューサーの仕事」のサブタイトルの通り、井阪氏の40年に及ぶレコード制作の現場について興味深い話が数多く書かれている。 井阪氏は、1940年和歌山生。同志社大学経済学部卒業後、1964年日本ビクター入社。営業を経てクラシック音楽のプロデューサーとして78年退社までに150枚以上のレコードを制作。同年(株)カメラータ・... ...続きを見る

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2006/09/15 21:50
村山由佳「ヘヴンリー・ブルー」
村山由佳の最新刊(集英社/2006.8)である。 「天使の卵」・アナザーストーリーのサブタイトル通り、「天使の卵」と続編「天使の梯子」をつなぎつつ、さらにその先に続いて行くストーリーとなっている。語り手は夏姫。 村山自身は、次のように語っている。 「『卵』ではいわば歩太と春妃の恋にとって邪魔者だった夏姫ですが、視点を変えて彼女の目から見るならば、姉の春妃は大好きな恋人を自分から奪っていった恋敵だし、歩太は自分を裏切った勝手な男。なのに、忘れられない。二人のことを好きなのに、二人の仲を赦せな... ...続きを見る

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2006/09/02 09:29
逢坂剛:禿鷹狩り
逢坂剛氏の最新単行本(2006.7/文藝春秋)。いわゆる禿鷹シリーズ(「禿鷹の夜」、「無防備都市」、「銀弾の森」が既刊)の最終作である。最近は読み始めたら止まらないという本が少ない中、500ページを超える大作でありながら息を呑む展開の連続・・、数日で読み上げた。いつもながら逢坂氏の文章は大変小気味良い。 渋谷、新宿を舞台にしたヤクザの抗争と、警察との巧みな駆け引き、というか癒着。神宮署の悪徳警官(と言われる)禿富鷹秋の冷酷非情な、しかし決して根っからの悪人とは思えない独特のキャラクター。ストー... ...続きを見る

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2006/08/22 22:18
Esquire 9月号
「発見、クラシック音楽。」というサブタイトルにつられて、つい購入してしまった。 この雑誌は、黒田恭一氏の「音の海から」のページだけは毎号立ち読みしているが、買うのは初めてである。総ページの半分以上が特集記事にあてられており、なかなか読みごたえがあった。それしにても、クラシック音楽の入門、というアプローチでは全くなく、「ロシアピアニズム」、「古楽」が中心というのもいかにもEsquireという雑誌のコンセプトを象徴している。私的には、「今日のオペラをめぐって」という記事がもっとも面白かった。 あ... ...続きを見る

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2006/08/10 22:59
阿川佐和子の最新本2冊
阿川佐和子さんの最新著作を2冊読んだ。いずれも、対談またはコメントと言う形のいわゆる文章スタイルではない点で共通している。 ● 「男(オス)女(メス)の怪」 養老孟司/ 阿川佐和子(大和書房2006.06) 養老孟司氏との対談集。男と女の間にある「壁」について、性格や言葉、美意識、遺伝子など様々な視点から探っていく。いろいろなところで共感できる(養老氏の)発言があった。例えば、 −−国語で反対語を教えるのはよくない。反対語と思われているのは常に補完語だ。内とか外とか、男と女とか。男と女を対... ...続きを見る

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2006/07/28 23:10
酒井順子「ひとくちの甘能」
酒井さんの最新刊(角川書店2006.4)で、甘いもの(ミルフィーユ、お団子、ソフトクリーム、かき氷、葛切り、小倉アイス、プリン・・)についての、彼女独特の視点による文章に、カラー写真(小川軒のレイズン・ウィッチ、ウエストのシュークリーム、一炉庵の水羊羹などなど)が添えられていく。 たとえば、「麩まんじゅうの舌触りはあくまで淫靡、・・ひとくち食べてみれば、まるで誰かの唇のような感触の・・」とか「美味しいマンゴープリンというのは、よく熟れた生の果肉感をたっぷりと残しながら、そこには生以上の深い味わ... ...続きを見る

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2006/07/21 23:32
中山可穂「ケッヘル」
<伽椰は海峡の町で出会った男に職を斡旋される。モーツァルトの音楽に取り憑かれた男と、過去の亡霊から逃げ続ける女。出会うはずのない2人の人生が交差した瞬間、狂おしい復讐の幕が上がる。> 私は中山可穂という作家は初めて知ったのだが、たいへん読み応えのある作品だった。上下巻、800ページを超える大作で、金曜の夜から読み始め、土日の練習の合い間をぬい、結局読み終わったのは月曜の深夜。サスペンス/ハードボイルド系でもあり、読み始めたら止まらなくなってしまった。 一応私も筋金入り(?)のモーツァルティア... ...続きを見る

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2006/06/27 21:51
「モーツァルトを求めて」
吉田秀和氏によるモーツァルトに関する著作を、全集から抜粋して新書化したもの(白水社 2005.12)。 既に読んだことのある内容も含まれていたが、あらためて読み直してみると、時間の経過(初出は1949年から1969年まで20年に及ぶ)とは別に、氏のモーツァルトへの愛情と深い共感、鋭い視点、音楽的な分析の鋭さを実感させられた。 ピアノ協奏曲変ホ長調(K271)の詳細な分析、ヴァイオリン協奏曲第7番(!)との出会い、クラリネット協奏曲のアダージョに関する卓越した表現などなど・・。 がそんな中で... ...続きを見る

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2006/06/19 22:20
武満徹/Visions in Time
書店で購入はしたのだが、この本は通常の書籍ではなく、東京オペラシティアートギャラリーで開かれている<武満徹/Visions in Time>展(もう終了間近)公式カタログとのことである。 武満による自筆の楽譜がいくつか載っており、私は初めて見たのだが、これが大変美しい。リヒャルト・シュトラウスも美しい楽譜を書く人だったが、武満の楽譜はそれ自体で芸術作品と呼べるようなアーティスティックなものとなっている。その他にも、書簡、写真、交流のあった芸術家たちの作品:瀧口修造、杉浦康平、加納光於・・、そし... ...続きを見る

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2006/06/16 00:00
世界・わが心の旅「プラハ」
先日お亡くなりになった米原万里さんの追悼番組がNHKBSで放送されていた。1996年2月に放送されたものであるという。 内容的には「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」そのもののドキュメンタリー。あの本が出版されたのが2001年6月なので、それより5年も前に取材は終了していたことになる。ギリシャ人のリッツァ、ルーマニア人のアナ(アーニャ)、旧ユーゴスラビア、ベオグラード出身のヤースナの3人の同級生。30年前に別れ別れになった友人の消息をあちこち探し求め、そしてついに再会を果たす・・。ストーリーとして... ...続きを見る

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2006/06/13 23:09
「万世一系のひみつ」
動物行動学が専門の竹内久美子女史の最新刊(文藝春秋2006.5)。 例によって、人間や動物にまつわる素朴な疑問を科学的な立場から立証してくれる。彼女の著書は、「ワニはいかにして愛を語り合うか」、「シンメトリーな男」、「浮気人類進化論」、などに代表されるが、いずれにしても、人間を含めたすべての生物の本能は自分の子孫を残したいということで、すべての行動はそこに集約されるということで一貫している。 さて、今回の内容もバラエティに富んでおり、たとえば、「よりウエストがくびれている女ほど受胎しやすい」... ...続きを見る

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2006/06/08 22:32
「おいしいコーヒーのいれ方]〜夢のあとさき〜」
村山由佳によるこのシリーズ第10作(イラスト:志田光郷/集英社2006.05.26)。 第一作が1994年なのでもう10年以上続いていることになる。内容的には、最も彼女の作品らしい純愛もの。なお、第5作までは既に文庫化されている。 私も、「天使の卵」を読んで以来、彼女の熱狂的なファンになり、すべての作品を読んでいる(だけでなく、ほとんど単行本で持っている)。「おいしいコーヒーのいれ方」にしても、当初は10代〜20代前半くらいの若者をターゲットに書き始めたものらしいが、現在では70代の読者もい... ...続きを見る

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2006/06/02 21:29
米原万里さん
米原万里さんが亡くなった。 がんで闘病中のことは知っていたが、あまりにも急なことで驚く。まだ56歳の若さで・・。 ロシア語の同時通訳の第一人者で、エリツィン、ゴルバチョフなどの通訳も務めたほど。私は彼女の著作(出版されたもの)はほとんど全て読んでいる。「不実な美女か貞淑な醜女か」、「魔女の1ダース」 、「ロシアは今日も荒れ模様」、「ガセネッタ&シモネッタ」などのエッセイは、そのどれもが鋭い視点と深い洞察、専門知識、それにユーモアに満ちたものだが、私が最も印象的で好きな作品は、「嘘つきアーニャ... ...続きを見る

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2006/05/31 00:55
Sound & Life
ステレオサウンド社が出しているSound & Life という雑誌がある。 http://www.stereosound.co.jp/slweb/index.php 「自らのライフスタイルを大切にしながら、上質なオーディオシステムでいい音楽をいい音で聴きたいという方のためのオーディオ&ライフスタイル・マガジン」というコンセプトである。私も一応、オーディオマニアではあるが、あくまでも生活の一部としての音楽であり、また、音楽を聴くためのシステムであると考えているという意味で、この雑誌の方向性には... ...続きを見る

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2006/05/29 23:41
追跡ムソルグスキー「展覧会の絵」
団伊玖磨とNHK取材班による、「展覧会の絵」の原画を探し求める取材の旅の記録である。実際に番組化されたらしいが私は観ていない。この本はNHK出版から1992年7月に単行本化されている。 ムソルグスキーの「展覧会の絵」が、友人の画家ガルトマン(以前はハルトマンと言われていた)の遺作展からインスピレーションを受けて作曲された、ということは誰もが知っている。では、実際に10曲の原画はどのようなものだったのか。 私自身、「卵の殻をつけたひなの踊り」と「キエフの大きな門」は何かで見たことがあったが、他... ...続きを見る

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2006/05/17 22:52
「うなぎでワインが飲めますか?」
世界的なソムリエである田崎真也氏の新しい著作 (角川oneテーマ21/2006.1)で、サブタイトルは「そば、てんぷら、チョコレートまでのワイン相性術」、つまり、ワインと料理についての相性についての内容である。 田崎氏によれば、ワインと料理の相性は、従来の「肉は赤、魚は白」という単純な図式ではなく、「(赤ワインに感じる)黒胡椒やシナモン、ナツメグ、七味唐辛子などを添えたくなるような料理は、ほとんど茶系の濃い色の料理であり、(白ワインに感じる)柑橘系やリンゴ、ハーブの香りを添えたくなるような料... ...続きを見る

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2006/05/15 22:35
「小泉今日子の半径100メートル」
書店で立ち読みしてから一旦外に出たのだが、思い直して引き返し、やはり購入してしまった。 最近は、歌手というより、女優もしくは役者として進境著しい小泉今日子だが、執筆活動の方も、読売新聞の書評欄を担当していたり、雑誌での連載、単行本も、「パンダのan・an」(マガジンハウス/1997)、こぐれひでことの共著「往復書簡」(SSコミュニケーションズ/2003.12)と、ゆるやかなペースで進めている。 そもそもこの本は、雑誌「InRed」に連載されていたものの単行本化(宝島社2006.2)で、30〜... ...続きを見る

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2006/05/05 21:07
「ウィーンの冬」
「プラハの春」(1997/5)、「ベルリンの秋」(1999/6)に続く,、春江一也の中欧三部作の完結編(集英社インターナショナル 2005/11)である。 春江は元外務省職員で、実際の赴任地を舞台に、歴史的な事実とフィクションを巧みにリンクさせてこれらの小説を作り上げている。その意味で逢坂剛氏のイベリアシリーズ http://zauberfloete.at.webry.info/200601/article_19.htm に通じるものがある。 第一作、「プラハの春」はベストセラーとなった... ...続きを見る

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2006/03/23 22:21
「アガワとダンの幸せになるためのワイン修行」〜カジュアルワイン編/ゴージャスワイン編〜
個人的には、壇ふみよりも阿川佐和子の方が好きである。 が、それはともかく、この本は2冊とも、雑誌「ワイン王国」に連載されていたものの単行本化(2005.9/幻冬舎)で、各回、あるテーマのもとに著名なソムリエがゲストに招かれ、二人が教えを請うという内容で構成されている。 二人とも会話自体は素人っぽいが、実際にはかなりのワインを飲んでいないと分からないようなセンスを持っており、単にソムリエが使う語彙を使っていないだけという感じを持った。 別に深い知識は持っていなくても、さまざまなバリエーション... ...続きを見る

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2006/03/11 15:07
関口知宏が行く ドイツ鉄道の旅
私はそれほどでもないが、一応鉄道車輌マニア(?)である。京浜東北線の209系側窓開閉化改造車が登場すればすぐに分かるし、京浜急行の1000系と600系の違いも窓枠の違いやパンタグラフの形状によって識別は可能である。 それはともかく、NHKで2004年に放送された「列島縦断 鉄道12000km最長片道切符の旅」、2005年の「列島縦断 鉄道乗りつくしの旅JR20000km全線走破」は、すべてではないが、時間のある限り興味深く見た。 そのシリーズの初めての海外編が、「ドイツ鉄道の旅」であり、それ... ...続きを見る

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2006/03/08 21:51
STEREO SOUND
先日取り上げた、村上春樹:「意味がなければスイングはない」は、元来、STEREO SOUND誌に連載されていたものである。 http://www.stereosound.co.jp/ssweb/ STEREO SOUNDは、今や、マーケットとしてはほとんどなくなってしまったと思われる、ハイエンド・オーディオの専門誌で、定価は約2000円、年4回発刊される季刊誌である。 内容的には、高額コンポーネントの製品紹介、比較試聴レポート、メーカー/ユーザー取材などだが、ある意味でカタログ的でもあり、... ...続きを見る

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2006/02/23 21:56
「意味がなければスイングはない」
村上春樹氏の(たぶん)最新の著作(文藝春秋/2005.11)で、やっと読むことができた。 素晴らしい本であり、村上氏の音楽への情熱がひしひしと伝わってくる。 「意味がなければスイングはない」のタイトルは、もちろん、デューク・エリントン「スイングがなければ意味がない」のもじりであるが、ここでの文章は、筆者があとがきでも語っているように、いったいどうしてそこに「スイング:グルーヴ、うねり→優れた本物の音楽を、優れた本物の音楽として成り立たせているそのような<何か>」が生まれてくるのだろうか、とい... ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 6 / トラックバック 1 / コメント 0

2006/02/21 22:14
大型本
先日、近くの図書館で日本現代版画「清宮質文」(玲風書房1992) http://www.reifu.co.jp/hanga/hangaFrameset.htm を借りてきた。 この本の存在はもちろん知っていたが、高くて手が出なかったのと置き場所にも困ると思って購入していなかったのだが、実物をじっくり見ていて、やはりこれは購入したいと思えてきた・・。 清宮の画集は、小田急百貨店での展覧会の図録を始め、何冊かは持っているのだが、これほど大きなサイズ(348mm×273mm)の本は持っていない... ...続きを見る

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2006/02/09 22:15
最近読んだ本
●酒井順子「私は美人」(朝日新聞社2005.11) 「負け犬」ですっかり有名になってしまった酒井さんだが、私は昔からの大ファンで、彼女の本はすべて読んでいる。その酒井さんの最新作。 相変わらずの鋭い視点と、きめ細かい観察、大胆な考察により、今回はさまざまな「美人」について語られる。 「自分のことを美人だと思ってはいけない(正確に言うと『自分のことを美人だと思っていることを他人に知られてはいけない』ということになるわけですが)」というタブーだけは残っているものの、今、世の中では「より良い容姿... ...続きを見る

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2006/02/03 21:52
「暗い国境線」
逢坂剛氏の最新作(講談社2005.12)である。氏の著作はいくつかのパターンに分けられ、百舌シリーズ、 岡坂神策シリーズ、イベリア・シリーズ 、禿鷹シリーズ ほか時代劇もの、西部劇もの、御茶ノ水警察署を舞台にしたもの等もあるが、これはイベリアシリーズの第4作である。 実は、逢坂氏は最近まで私と同じ会社に勤めており、直接面識もある。また、当時勤め先が神田神保町(正しくは錦町という地名だが)にあったため、個人的にはあのあたりを舞台にした、岡坂神策シリーズや梢田&斉木の御茶ノ水警察シリーズが読みやす... ...続きを見る

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2006/01/24 22:05
「たとえ世界が不条理だったとしても」
吉田秀和氏による新・音楽展望2000〜2004 (朝日新聞社2005.11)最新刊で、21世紀に入ってからの氏の著作がすべて収められている唯一の単行本である。氏は2003年11月に奥様を亡くされ、評論活動からはしばらく遠ざかっていた。その後、何回か執筆されたが再び中断し現在に至っている。 本のタイトルにもなっている、「不条理と秩序」は2000年5月に書かれたもの。普段、我々は死、病気、苦しみなどに出会うと初めてとそこに不条理に気づく。が、吉田氏は、私たちの生、健康、喜び、幸せといったものでも何... ...続きを見る

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2006/01/11 21:13

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