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zoom RSS 「プレイバック 制作ディレクター回想記〜音楽「山口百恵」全軌跡〜」

<<   作成日時 : 2017/07/19 22:01   >>

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著者は川瀬泰雄、2011年2月に学研教育出版から出版されている。川瀬はホリプロ、キティ・レコードを経てフリーのプロデューサー、「禁じられた遊び」以降の山口百恵の録音のプロデューサーを務める。ビートルズ研究家として著書もある。
「山口百恵」の楽曲についての書は平岡正明著「山口百恵は菩薩である」 (講談社/1979)しか知らなかったのだが、本書はたまたま図書館のタナで見つけたもの。6年も前に出版され、おそらく直ぐに収蔵されたと思うのだが何回もその前を通っていながらこれまで発見できなかったのが信じられない・・・。

さて、一般的に山口百恵のプロデューサーというとCBSソニーの酒井政利がよく知られているが、本書では「制作ディレクター」としての川瀬により、その企画から録音、商品化に携わった現場の話が詳細に語られている。
なお、実際のディスクの表記には、エグゼクティブ・プロデューサー:酒井政利、プロデューサー:川瀬泰雄となっているのだが、本書を読んでその役割分担が明確になった。
酒井は、その曲のコンセプト、例えば、
・「パールカラー」という色を詞の中に入れる
・「イミテイション」という言葉を入れたい
・「プレイバック」というタイトルの曲、ケロケロってテープの音が戻るような曲
・「口パクで、歌わない歌を」
・「しなやか」という言葉を
などのアイデアを出し、それをもとに川瀬が楽曲を具体化し、実際に現場で音楽を完成させていったのだという。
その意味で山口百恵の音楽づくりに果たした川瀬の役割は大きいと言わざるを得ない。
また、川瀬自身、歌手・山口百恵の最大の理解者であると同時に、最大のファンでもあったようだ。「COSMOS(宇宙)」制作時のことを振り返り、「この頃の僕は、歌手山口百恵としての実力を正当に評価してほしいと常々思っていた。」と述べているばかりでなく、本書の中で終始、山口百恵の非凡な才能、カンの良さ、飲み込みの速さ、優れた歌唱/表現力について繰り返し述べている。

そして、制作現場でのエピソードは極めて興味深いものばかりなのだが、必要最小限の引用にとどめておく。
・宇崎竜童が山口百恵のために初めて作曲した曲は「碧色の瞳」と「横須賀ストーリー」だった(「木漏れ日」、「幸福の実感」はそのあと)
・「横須賀ストーリー」の印象的な半音反復イントロは編曲者の萩田光雄が考えた
・「秋桜」の最初のタイトルは「小春日和」だった
・「プレイバックPart1」は「プレイバックPart2」と同時に作られていた――「プレイバック」の企画は、宇崎竜童、馬飼野康二に作曲を依頼し、3曲出来上がり、シングル化された宇崎の曲を「Part2」とし、馬飼野の曲を「Part1」とした
・「COSMOS」の中の名曲「時の扉」の作曲者:北野弦とは本書の著者川瀬泰雄のことだった
・「あなたへの子守歌」は当初「しなやかに愛して」として録音されていた
などなど。
さらに、マニアとしては最も興味深い未発表録音について。
○「百恵飛行」:阿木+宇崎作、「GOLDEN FLIGHT」に収録予定だったが、キーが高く音域が広すぎるためお蔵入りとなった
○低いキーによる「秋桜」:ファルセットを使わなくてすむキーによるバージョン
○「しなやかに歌って」、「謝肉祭」の萩田光雄編曲録音
これらの録音をぜひ聴いてみたいと思うのは私だけではないだろう。
なお、「東京の空の下あなたは」については言及されているが、「Antarctica(未来大陸)」については特に述べられていない。

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