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help RSS モーツァルト:交響曲第40番ト短調K550〜その2 モルト・アレグロとアレグロ・アッサイ〜

<<   作成日時 : 2011/11/12 14:45   >>

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モーツァルト:交響曲第40番ト短調の第一、四楽章における速度表記は、
第一楽章:モルト・アレグロ
第四楽章:アレグロ・アッサイ
となっている。一般的にはどちらも「ひじょうに速く」と説明されるが、どちらが速いのか?
モーツァルトの弟子であったフンメルは、師の最も有名なシンフォニーである最後の六曲を編曲して出版し、そこにメトロノーム表示を記入した。それによれば第一楽章モルト・アレグロは二分音符=MM108、第四楽章アレグロ・アッサイは二分音符=MM152となっている。
それに対し、アーノンクールはその著書「音楽は対話である」(1992/アカデミア・ミュージック)の中で、モルト・アレグロ(二分の二拍子)は、モーツァルトの最も速いアレグロである。従って第一楽章は終楽章よりも速くなければならない、と述べている。
その根拠として、下記のような説明がされている。
○第一楽章は、ヴァイオリンのアウフタクトで始まっている。バスとヴィオラは、激しく揺れるようなト短調の響きを表現していて、それがあたかも空間を漂い、楽章の始まる直前に聴こえてくるかのようである。このような音楽には非常に速いテンポが要求される。
○第四楽章のモティーフは、第三楽章メヌエットに由来しているのだが、それだけではなく舞曲の一種であるブレーから派生していて、さらにソナタ形式として展開している。舞曲は極めて折り目正しくかつ厳格に書かれている。第一部と第二部はそれぞれ8小節ずつ几帳面に繰り返される。その後、32小節目からソナタ形式へと展開していく。さらにこの二つの部分は厳格に2小節単位で区切られている。いってみればこれはソロの一組(クプレ)がトゥッティのコーラスに呼応する形になっている。当然ながらこの形式上の厳格さはテンポにおいても保たれなければならない。ここにはプレストの煽るようなテンポは馴染まない。フォルテの箇所に見られる旋律やリズムの反復や、第二主題部には抑制されたテンポの方がより一層納得のゆく表現が可能だろう。

では、実際に現場(?)ではどのように演奏されているのか、ということでいくつかの演奏を聴きながらその速さを検証してみた(結果はおおよその数値で、一番目が第一楽章、二番目が第四楽章の二分音符=MM)。
○ワルター=ウィーン・フィル(1952/SONY) 100,140
○カラヤン=ウィーン・フィル(1960/DECCA) 108,140
○クーベリック=バイエルン放送響(1980/SONY) 96,130
○ブリュッヘン=18世紀O(1985/PHILIPS) 116,132
ということで、(今回ちょっと取り出して聴いた範囲内の)いずれの演奏も第一楽章より第四楽章の方を速く演奏している、という結果だった。第一楽章のテンポが最速だった(と記憶する)フルトヴェングラーのディスクはどうしても見つからず、また、アーノンクールのディスクは私は持っていないので、実際にどのような感じになるのかについては確認はできなかったが・・・。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。毎回、楽しく拝見させていただいておりますが、年始休暇中に時間がありましたので、私も気になっていたアーノンクールのテンポ設定について、手持ちのCDで確かめてみました。
Zauberfloeteさんのご推測のように、アーノンクールの第1回目の録音(RCO/1983)では、125,122と速度が逆転しています。ただし、ヨーロッパCOとの再録音(1991)においては、手元の計測では、116,120とわずかに第4楽章が早くなっていますが、それでも聴覚的にはいい勝負です(いずれも、楽章冒頭のテンポで比較)。
ちなみに私個人は、疾走するモルト・アレグロは気に入っています。ということで大好きなフルトヴェングラー盤(スタジオ録音、1948)も聞いてみましたが、こちらは第1楽章が122と早め。ですが、第4楽章が144とそれにも増して高速なため逆転はしていませんでした(他の2種のライブ録音も傾向は同じ、107,145 - 1944、107,140 - 1949)。ほかにいくつか聞いてみましたが、アーノンクールのようなテンポ設定の盤は発見できず。。。また時間があったときにでも再調査してみます。
cherubino
2012/01/03 22:29
cherubinoさま
いつもありがとうございます。貴重なデータ、お知らせいただきありがとうございました。アーノンクールはどのような演奏をしているのか気になっていました。
終楽章を最も速くすることによって、全体の劇的な効果が高まるために多くの指揮者がそのように演奏するのだとは思いますが、アーノンクールの主張もわからないでもないように思えます。
Zauberfloete
2012/01/04 21:08
Zauberfloete様、「音楽は対話である」の中でアーノンクールは、『フィガロ』の第2幕フィナーレおよび序曲のテンポ設定にも触れ、持論を展開していますね。確かにアーノンクールの『フィガロ』、特にRCOとの全曲盤を聴くと、普通速いところはやや遅めに、遅めのところは速めにという具合で、そういう論を参照しなくても「何か考えてるなあ」とわかる音楽をやっています。2幕フィナーレでは、再びアレグロ・モルトとアレグロ・アッサイも両方出てきていますので、また考えてみたいと思います。
※余談ですが、ライスター&コッホ&ベルリンフィル・ゾリステンの管楽四重奏曲集(私もレゾナンス盤で今でも持っています)は、私が初めて聴いた、しかも大好きな演奏でした! CD化情報ありがとうございます。
cherubino
2012/01/22 22:55
cherubinoさま
コメントありがとうございます。私はアーノンクールの全曲盤は持っていないのですが、「音楽は対話である」には詳細な分析がなされており大変興味深いです。
Zauberfloete
2012/01/23 22:54

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