Zauberfloete 通信

アクセスカウンタ

zoom RSS バイエルン国立歌劇場:「ローエングリン」

<<   作成日時 : 2011/09/30 23:21   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 3 / コメント 0

バイエルン国立歌劇場日本公演「ローエングリン」を観た(9/29 NHKホール)。
ローエングリンを歌う予定だったカウフマンが来日中止になったり、また、直前になって当初参加予定だった歌劇場のメンバー約400人のうち約100人が日本行きを拒否したことが発表されたりと、紆余曲折あったものの何とか公演が実現されて本当に良かったと思う。
配役、指揮などは下記の通り。
○台本/音楽:リヒャルト・ワーグナー
○指揮:ケント・ナガノ
○演出:リチャード・ジョーンズ
○美術・衣装:ウルツ
○照明:ミミ・ジョーダン・シェリン
○合唱指揮:ゼーレン:エックホフ
○声楽ソリスト
・ハインリッヒ王:クリスティン・ジークムントソン
・ローエングリン:ヨハン・ボータ
・エルザ・フォン・ブラバント:エミリー・マギー
・フリードリヒ・フォン・テルムラント伯爵:エフゲニー・ニキーチン
・オルトルート:ヴァルトラウト・マイヤー
・王の伝令:マーティン・ガントナー
○管弦楽/合唱
バイエルン国立歌劇場管弦楽団/バイエルン国立歌劇場合唱団
16:00開演で、各幕間に35分の休憩、20:50終演。

オペラというのは、台本、音楽(作曲家)、指揮者、声楽ソリスト、合唱団、オケ、舞台装置、照明、衣装、演出などが一体となった総合芸術であり、特に今回のような著名な海外の歌劇場の公演では、伝統に裏打ちされつつ、そこに現代の感覚で味付けされた舞台を体験することができる。このような体験は滅多にできるものではない。そういった意味で、ひじょうに満足した公演だった。これほど楽しく充実した、濃厚でそしてとびきり贅沢な時間を過ごせることは幸せなことだとあらためて思う。
ローエングリンを歌ったボータは、ハリのある美しい声で予想以上に素晴らしかった(視覚的にはちょっと貫禄があり過ぎたが)。エルザ役のマギーはまあ普通、そしてオルトルートを歌ったマイヤーは、さすがと言うべきか要所を締める見事な歌唱で、歌手陣の中では最も優れていたと思う。
演出はかなり現代的なもので、お伽噺的な白鳥の騎士とお姫様を期待すると裏切られることになる。舞台装置は二階建てプレハブ住宅(?)が幕を追うごとに組立てられていき、第三幕までに完成、ローエングリンとエルザの新居となる。登場人物はTシャツなどの普段着でちょっと興醒め・・。また、舞台の上方中央に二つの丸いスクリーンがあり、伝令の顔とか婚姻届にサインするところをカメラで映し出したりしていたが、時には意味不明のものもあった。
そして管弦楽団。
名オーボエ奏者ヴァンゲンハイムは既に引退、メンバー表を見ても私が知っているのはサイモン・デント(首席オーボエ)のみだったが、特に木管セクションは期待通りの名演を聴かせてくれた。
第一幕前奏曲の冒頭、管楽器の入りには一瞬ドキリとさせられたが、その後はトラブル/アクシデントなども全くなく素晴らしかった。特に第二幕後半のエルザの大聖堂への行列シーンでの演奏は出色。フルートのトップはやや地味でありながらまろやかでひじょうに美しい音色、そしてオーボエもドイツ的なそれでいて軽やかさも併せ持つ見事な演奏だった。
オーケストラ・ピットは向かって左端からホルン、ハープ、木管、弦楽器(コントラバスは舞台寄りに一列7名)をはさんで右側にトランペット、ティンパニ/打楽器、トロンボーン、チューバという並び。NHKホールのピットは狭いのでほぼ満杯状況。金管も前面に出過ぎることもなく控えめで、またティンパニもひじょうに節度のある、また決めるところは決める優れた演奏だった(エキストラ?)。また、随所でトランペット奏者をオルガン席や、(おそらく)2階客席後方に配するという効果的な演出もみられた。

最後に話は逸れるが、NHKホールでのマイク(PA)使用について。私が1974年(NHKホール開館年)10月にカラヤン=ベルリン・フィルの公演を聴きに行き、3階最後列に座った時のこと。特に木管セクションの聴こえ方が何となく不自然で、もしかしてマイクを使用しているのではないかと思ったことがある。
今回は3階センター(前後左右)真ん中あたりの席、NHKホールの断面図によればこのあたりから舞台までの距離は約40m。そのワリには木管セクションの音はかなりナマナマしく、歌い手の声もひじょうに良く聴こえ(下の方のステージからと言うより正面ステージ上方から)、合唱に至っては大ホール飽和寸前の響きがしていた。よく聴こえるのは確かに良いことなのだが本当にナマの音だろうか???と思う。そして第三幕、前奏曲に続く婚礼の合唱、舞台ソデから合唱団が歌いながら入って来る場面。明らかにフェーダーを操作しているような不自然な響きが・・・。そしてある部分ではマイクが途切れたのか、オケの音がかなり下の方からだけ聴こえてくる時もあった(これが本来の聴こえ方だと思う)。
インターネットで調べてみたところ、NHKホールは1、2階後方は音が聞こえにくいため、それであれば最上階後方(安い席)の方が音の位置関係がおかしく(舞台奥の方が手前に聴こえる)ても聞こえるだけ良い、ということをおっしゃっている方もいた。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(3件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
ミラノ・スカラ座/「ローエングリン」
録画しておいたプレミアム・シアターを観た。今回は、ミラノ・スカラ座 2012/13シーズン開幕公演ということでワーグナーの歌劇「ローエングリン」。2012年12月7日、ミラノ・スカラ座での収録とのこと。配役等は下記の通り。 ○ドイツ国王ハインリヒ:ルネ・パーペ ○ローエングリン:ヨナス・カウフマン ○エルザ・フォン・ブラバント:アンネッテ・ダッシュ ○テルラムント:トマス・トマソン ○オルトルート:エヴェリン・ヘルリツィウス ○式部官:ジェリコ・ルチッチ ほか ○合唱:ミラノ... ...続きを見る
Zauberfloete 通信
2012/12/24 19:00
Springtime in Vienna 2014
毎年4月に行われるウィーン交響楽団による演奏会。昨年(2014年)は4月19日〜20日にウィーン ムジークフェラインザール(楽友協会大ホール)で行われ、その模様がTOKYO MXで放送された(1/1)。指揮者、ソリスト等は下記の通り。 ○指揮:シモーネ・ヤング ○テノール:ヨハン・ボータ ○ヴァイオリン・ソロ:フローリアン・ツヴィアウア(ウィーン響第1コンサートマスター) ○管弦楽:ウィーン交響楽団 曲目は下記の通り。なお、日本語訳がなかったためウィーン響HPから引用。 htt... ...続きを見る
Zauberfloete 通信
2015/01/01 17:21
ヨハン・ボータ氏ご逝去
ウィーン国立歌劇場によると、ヨハン・ボータさん(南アフリカ出身のテノール歌手)が8日朝、ウィーンで死去、51歳。 南アフリカ北部ルステンブルク生まれ。90年代から欧州、米国の歌劇場で活躍。幅広いレパートリーで名声を得て、96年からウィーン国立歌劇場を主な活動の場とした。今春から病気で休養したが、6月にはブダペストの歌劇場に出演。復帰が期待されていた。 ウィーン国立歌劇場は、ボータさんが出演者に名を連ねた10月の東京での公演は代役を立て予定通り行うとしている。(ウィーン)以上朝日新聞記事... ...続きを見る
Zauberfloete 通信
2016/09/09 21:58

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
バイエルン国立歌劇場:「ローエングリン」 Zauberfloete 通信/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる