ヤナーチェク「利口な女狐の物語」
<<
作成日時 : 2010/01/13 23:03
>>
ブログ気持玉 0 /
トラックバック 0 /
コメント 0
まだ最後まで読み終わっていない、吉田秀和「オペラ・ノート」(白水uブックス/2009.9)の最初の章にヤナーチェク「利口な女狐の物語」の話がのっている。吉田氏が1968年の「プラハの春」で聴いて以来、数ある世界中のオペラの中でも格別に好きな作品だという。「オペラの中で、こんなにも自然が豊かに、そうしてこしらえものでない新鮮さと自由さとで、生きているものを、私はほかに知らない。」と吉田氏は述べている。筋書きもメルヘンチックで、人間と動物の二つの世界が交錯し、対立し、とけあっているという不思議なもの・・。ここまで吉田氏が絶賛されている音楽を一度は聴いてみたいと思っていた。
たまたま、クラッシック・ロイヤルシート(BS第2)でこの作品が放送されることを知り、録画しておいたものをやっと観ることができた。2008年秋のパリ・オペラ座でのプロダクションで、既にブルーレイで発売されているものらしい。演出はアンドレ・エンゲル、指揮はデニス・ラッセル・デイヴィス、主役の女狐ビストロウシカはエレナ・ツァラゴワ、森番ユッカ・ラジライネン他のキャスト。舞台は田舎のローカル線の終点駅、二本の電柱と線路、バックにはひまわりが咲き乱れるひじょうに単純だが美しいセット。登場人物(動物)の衣装もカラフルでセンスに富んだもの。
それにしても、ヤナーチェクの音楽は私にとって全く未知の領域で初体験。他の作曲家では絶対に聴けない語法に最初は当惑したが、レチタティーヴォとはあきらかに異なる、話し言葉に通じる抑揚というかメロディは聴いているうちにだんだん抵抗なく入ってくるような感じがした。あらかじめ吉田氏の文章を読んでいたせいもあるが、静けさの中に、自然、生命、自由、輪廻などの主題(?)が、少しずつ伝わってくるという不思議な体験をした一時間40分だった。
|
ブログ気持玉
クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ