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zoom RSS ディヴェルティメント変ホ長調K563

<<   作成日時 : 2007/01/31 22:22   >>

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1788年9月27日に完成され、ディヴェルティメントという形式はとっているが、モーツァルトにとってこのジャンル(弦楽三重奏)では唯一の作品である。1790年4月4日付のプフベルク宛の書簡に、「明日、ハーディク伯爵のために、シュタートラー五重奏曲(K581)と、あなたのために書いたこの曲を演奏する予定です。」とモーツァルトは書いている。調性は異なるとはいえ、そういえばこの二曲の冒頭は驚くほど似かよっている。
音楽学者のアインシュタインが、「この世で耳にすることができるもっとも完璧で、もっとも繊細な曲」と言っている通り、モーツァルト後期の大傑作と私は思っているが、意外にディスクは少ない。
古くはパスキエ、グリュミオーらのレコードしかなく、その後、ウィーン・ムジークフェラインQt(キュッヒル他:DECCA/1979)、クレーメル、カシュカシアン、マのディスク(SONY/1984)などがリリースされたが、十分満足できる演奏はほとんどなかった。その後、クスマウル、クリスト、ファウストによる超名演(CAMPANELLA/2000)が登場し、私にとってこのディスクが決定盤となった。ちなみに私は他にも、寺神戸亮がヴィオラを弾いたものも持っているが、現役盤はあとはWPhメンバーによるカメラータ盤など数えるほどだろう。
今回、ヤン・フォーグラー(元ドレスデン・シュターツカペレ首席チェリスト)を中心とした新しい録音(ヴァイオリンは、ベンヤミン・シュミット/ヴィオラはアントワーヌ・タメスティット)が登場したので、迷わず購入した(SONY/2005)。
晩年のプロシアセットもそうであるように、この曲はヴァイオリンはもちろん、チェロにも高度な技術が要求されている。ここでの演奏はシュミットのヴァイオリンも素晴らしいが、やはりフォーグラーの存在感が際立っている。演奏も全体に若々しく好感が持て、録音も美しい。
ちょっと気になったので、クスマウル、クリスト、ファウストたちによる演奏を取り出して久しぶりに聴いてみた。終楽章を聴き始めた瞬間、クスマウルのとびきり美しい音色にびっくり・・。クリストやファウストの上手さはもちろん、アンサンブルとしてのまとまり、バランスやダイナミクス、緩急のつけ方などの音楽づくり、歌い方など、この上なく素晴らしく、これは「格」が違うという印象を受けた。やはり、この演奏は不朽の名演であることを確信する。

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モーツァルト:弦楽五重奏曲ハ長調K515
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